第58話 大豆と、ツルムラサキの実と、ツルムラサキのマヨネーズあえ

 インゲンがほとんど生らなくなった。

 エリクサーが作れない。

 備蓄はあるがそれは困る。

 なので大豆から作ろうと思う。

 大豆は今、枝豆状態。

 作れるはずだ。


「エリクサー生成」


 大豆の豆が膨らみ、光り始めた。

 やった成功だ。


 大豆は全部、エリクサーにしてしまおう。

 8月の頭に秋のインゲンを植えた。

 今、2メートルぐらいに育っている。

 まだ実は生らないが、そのうち生るだろう。


 連日の取り調べだが、別に問題はない。

 畑の方もやる作業がほとんどないし。

 ツルムラサキの種が収穫できるようになった。

 村に持って行ってやらないと。


 俺は境界を村に変えた。

 シイタケを持っておすそ分けスタンピード。


 知り合いの村人を訪ねた。


「おや、久しぶりだな」

「おう、無沙汰。今日はツルムラサキの実を持って来た」


 コンビニ袋に入れたツルムラサキの実は潰れてムラサキ色の汁を出していた。


「前に紫の布は売れると言っていたよな。これで染めたらどうだ」

「綺麗に染まるならやってみたい」


 ツルムラサキの実を潰して汁を絞る。

 種はこの村で栽培するように取っておく。


 白い布の切れ端を汁で染める。


「綺麗な紫だな。これなら売れる」


 村人が感心したような口調でそう言った。


「若い人も戻って来るんじゃないか」

「そうなってくれると嬉しいが」

「きっとそうなるよ」


 もって来たシイタケを串に刺して炙ってから、エールのつまみにして食った。


「ところで妾をもってみたらどうだ」

「それは嫌だ。伴侶に不誠実だろう」

「そうか? 裕福な商人クラスだといる事が多いぞ」

「彼女がやきもち焼きでな」


 そういう事にしておいた。


「なら仕方ない」


 やっぱり村は嫁を世話してくるな。

 これがなければ良い所なんだけど。

 俺はエールを飲み干すと早々に帰った。


【朗報】マイナスイオンを浴びる会35【気軽に来てね】


345

場所は○○神社の横手の森。時間は午後2時から、午後3時まで。

参加料一万円。

飴をサービス。


346

毎日ご苦労だな


347

刑務所行きになるかもしれないから今がチャンスだ


348

つ通販


349

通販買ったやつおる


350

買ったぜ

虫歯跡が綺麗に治った

今日から歯磨き頑張る


351

俺も買った

目が良くなって免許の眼鏡使用がなくなった


 さあ出かけよう。

 今日からは大豆のエリクサーだ。


 飴を受け取った男が、飴を食って目を白黒させる。

 喉にでも詰まったか。


「くそっ、転売するつもりだったのに」


 こいつは転売ヤーか。

 エルフの精神魔法が利いているのを知らなかったのか。

 今使っているエリクサーには精神魔法が染み込んでいる。

 こうやって効果を確認すると、必要な処置だったな。


 そろそろ、神社でのマイナスイオンを浴びる会は辞めようかな。

 通販だと厄介がなくて良い。


 さて帰って夕飯の支度だ。

 今日は枝豆を食う事にする。

 でもこれはつまみだから、おかずにはならない。


 ツルムラサキのマヨネーズあえを作る事にした。

 ツルムラサキを茹でて、マヨネーズとあえ、七味と塩で味を調える、以上。

 メインに肉も欲しいな。

 ステーキでも焼くか。

 フライパンでステーキを焼く。

 和風のステーキソースを掛けて完成だ。


 才華が帰ってきた。


「ごはん出来ているよ」

「ありがと」


 才華が手を洗ったので食卓に料理を運ぶ。

 二人とも手を合わせて。


「頂きます」

「頂きます」


「ステーキの焼き加減が硬いわね」

「無茶言うなよ。店の様にはいかない。ビールを飲んでみたら。枝豆があるんだ」

「そう、頂くわ」


 才華が枝豆を食べて、ビールを飲む。


「くうーっ、夏はこれね」

「そうだろ。ツルムラサキのマヨネーズあえも美味いぜ」


 才華がマヨネーズあえを食べる。


「これは美味しいわね。ビールのつまみに良いわ」


 合格点が貰えたようだ。

 俺もツルムラサキのマヨネーズあえを摘まむ。

 マヨネーズと七味がツルムラサキに絡んで美味い。

 ご飯のおかずにも、ビールにも合う。


 才華ならカレー風味の方が良かったかもしれない。

 今度作ってみよう。

 ツナの缶詰を入れたらもっといいかもな。

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