第5話 金末

「さぁ今が終末週末の刻! 兄ィが今まで貯めていた鬱憤を想いを解放するのだっ!」


――――――――――――――――――――

 そう叫んでいるのは、終末に生きるライブ アット ザ エンド金末コズエだ。

 彼女は、少し色素の薄い髪の毛に横の白いメッシュが入った金色の瞳をした少女だ。

 その金末コズエはピースサインを横にして左目にかざしながらポーズしていた。

――――――――――――――――――――


「明日のことなど気にせず、今宵は盛大なパーリーをするのだっ!」


「さぁ、さぁ我の元にあの元気になる赤い飲み物を献上せよ」


 ガチャ

 ブーン

 

 バタン


 コツン コツン コツン


「この青と銀色のボディ、いつ見ても惚れ惚れする」


「見てみろ! この向き合った赤い牛がこれから決闘でもするかの様ではないかっ」


「これこそ我に相応しい飲み物よ」


 カチッ


 シュワー


 ゴクゴクゴク


「今宵も寝かさぬぞ。さぁエーペックを起動するのだっ」


 ポチッ


 ブ――――ン


 ピッ ピピッ


 トゥトゥルゥ♪


 カタカタカタ


 ポチッ


「フフフ、今夜も我がパッドが血に飢えておるわっ」


 ジャー ジャリジャリジャリ ジュジュジュ ドゥーン


「ウルさっ。うぅ相変わらず起動音がうるさいのよ」


「うー耳が痛い」


 ナデナデ


「ヘッドフォンしてるとビックリするのよ」


「って、そうじゃない!」


「ハハハ、相変わらずこの耳に響くジャリジャリした音! まさに終末週末に相応しいっ」


「あいも変わらず、我の鼓動こどうを早めてくれるわっ」


「今宵も、数多の者共をほふってやろうぞっ」


 バババババ


 コテン


 バババババ


 コテン


「左舷弾幕薄いぞ! 何やってんのっ!」


「おいぃー なに突っ込んでんだっ まだはや……」


「あーあ。言わんこっちゃない」


「あんだと? やんのか?」


 ガバッ


「あ、煩かった……ゴメン」


「でも、其方そのほうもやればきっとこの面白さが……」


「いや、なんでもありません」


 カチャカチャカチャ


「あー、やっぱ慣れたメンツとやらないと全然勝てない。野良パ最悪」


「でも、終末しかやれないからなぁ」


 チラッ


「『週末しかやれないのに買ってやってるだけでありがたく思え』ってそーなんだけどさ」


「ちょっとだけやらない?」


 ハァ

 スタスタスタ


 ドスン

 コツン


「エヘッ、それじゃ教えるからさ。やって見てよ」



 バババババ


 コテン


 バババババ


 コテン


「…………下手くそ」


「あー、ゴメンて最初は誰でもそうなんだからさ。そんなに怒らないでよ」


「じゃない、我も最初はこの世の不条理に嘆いた物だ。しかし弛まぬ努力によってこの様に……」


 バシュ


 ゴツン


 コテン


「うん。こういう事もあるのだ」


「まずは、エイムと銃の反動でブレるのを手動制御出来る様に訓練すれば良いっ」


 えー


「戦場に出て生き延びられるのは、準備した物だけだっ貴様はまだ準備すらしていないそれで勝てるとでも思っているのかっ」


「あ、ゴメン。そうだよね。最初からそんな風に言われたらやる気無くすよね……」


 コクコク


「ほら、この元気になる牛さんマークの飲み物飲んで」


「氷入れたからとっても冷えてるよ」


 ゴクゴクゴク


 プハー


「それじゃ、最初から教えるね」


 チクタクチクタク


 ゴーンゴーンゴーン


「って、もうこんな時間か……金曜って短いなぁ」


 スタッ


 バサッ


「それでは、我の時間はここまでだ。次の終末週末にまた会おう!」


おわり

――――――――――――――――――――

あとがき


金曜日 金末コズエ 中二病FPSゲーマー


次回


土曜日 土萌トモエ 義妹


こちらはコンテスト向け作品です。

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