第4話 木澄

「おかえりなさいせ旦那様」


「今宵はわたくしがお相手いたしますわ」


――――――――――――――――――――

 スカートの端をつまむカーテシーをしながら出迎えてくれたのは銀髪ロングヘアの木澄キスミだ。

 気品を感じさせる容姿と胸元とスカートの裾にフリルをあつらえた服装をしている彼女は、玄関でお出迎えをしてくれた。

――――――――――――――――――――


「本当はこの様な事、わたくしがする仕事では無いのですけれど」


「旦那様だけは特別なのですわ」


「さぁ、夕食に致しましょう」


わたくしお腹が減っておりますの」


「『先に食べていればいいじゃないか?』ですって、いけませんよ。その様な事を仰られては、他の方とはどうしているかは存じませんがわたくしとは、必ず一緒に夕食を摂って頂きます」


 コクコク


「今日はハンバーグですの。わざわざ、新鮮なお肉を買ってしっかりとねておりました」


「フフ、嬉しいでしょう? わたくしのこの手で丁寧に丁寧に弄りましたのよ?」


 ツヤツヤ


「コネコネ、コネコネ、ギュ♡ ギュ♡ っと」


 ふー


 ビクッ


「反応しておりますのね♪ もっと聞きたいですか?」


「そうですか、それでは……」


「それから、白い球体の中から取り出した。このネットリとした液体をピンクのお肉に垂らしましたの」


 コネコネ コネコネ


「さらに、このしろーい粘りのある液体を掛けて中をかき混ぜる様にしっかりと、しっかりと解して……」


 ドクッ ドクッ ドクッ


「丁寧に丁寧に柔らかくすると全体が馴染んで来ますの」


 ゴクリ


「そうやって下ごしらえを終えたピンクのお肉を……この黒くてかたーい物に透明な粘りのある液体を丁寧にしっかりと塗ってから『ジュワー』っと音がするまで温めて……」


「あぁ♡ もう我慢出来ないっ♡」


「黒くてかたーい物でピンクのお肉をゆっくりと熱を通して……」


 ジュー ジュー


「段々とわたくしのお肉が黒くて硬い物の色に染められて行って見分けが付かななくなる前にひっくり返しして、もう一度ゆっくりとお互いの存在を確かめ合って……」


 カチッ


「熱が中まで通ってしっかりと通る様に蓋をします」


「そのままの形でしばらくお互いを確かめ合った後に解放をすると」


 パカッ


 ジュワー


「中に留められた汁が飛び出して美味しそうなお肉を取り出してから

 このどろりとした液体を全身にふり掛けて仕上げです」


 ドクッ ドクッ ドクッ


「とーっても美味しそうでしょう♪」


「はい、どうぞ持って行ってくださいませ」


 タタタタタ


 カチャリ コン コン


 パタパタパタ


 キュッ スポッ


 トクトクトク


「さぁ、晩餐を始めましょう。今日はとっておきの赤ワインを出しましたの」


 クンクン


「この子はわたくし達よもずっと前に産まれて……こうして飲まれるのを待っていただなんて、なんだかとっても不思議ですわ」


 チーン


「それじゃ、乾杯致しましょう」


 カンパーイ


 スー レロレロ ゴックン


「この酸味がハンバーグと合いますまわ」


 サクッ カリカリ

 カチャ


 パクッ


 モグモグ


「んー、美味しいー♪」


「そうでしょう、そうでしょう。このわたくしが作ったんですものもっと褒めて良いのよ」


 オホホ


 モグモグモグ


「あら? もう食べ終わってしまったんですの」


 コクコク


「仕方ありませんわね。もう一個作って来ますわ。そのまえに……」


 あーん


わたくしのお肉を差し上げますわ」


 パクッ


 モグモグモグ


わたくしのものは美味しいでしょう?」


 うんうん


「それでは、もう一個作って来ますわね」


 スタッ


 るんるんるん♪


「お食事を終えたら早くシャワーを済ませてくださいまし。今夜はこのお肉の様にわたくしの色も染めてくださいませ♡」


おわり

――――――――――――――――――――

つづく


木曜日 木澄キスミ ハンバーグ

(このパターンでエッチシーン描きたいでござる)


金曜日 金末コズエ 中二病


こちらはコンテスト向け作品です。

☆、フォロー、いいね

で応援頂けますと執筆の励みになります。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る