第025話 毛筆コンクールで金賞を取ったことで有名な稗田先輩、ありがとう!


 カラオケに入った俺とみゆきちは対称的な表情をしていると思う。

 みゆきちは楽しそうに歌う曲を選んでいる。

 俺は正面の壁をずっと見ている。

 多分、表情は堅いと思う。


 それもそのはず……だって、みゆきちが隣に座ったんだもん。

 いや、それ自体は別に変じゃないし、問題ない。

 問題なのはここがカラオケという薄暗い密室なことだ。


 ひえー!

 いい匂いがするよー。

 薄暗いみゆきちがかわいいし、エロいよー!


 俺の体はカチコチだが、心は大騒ぎだ。


「小鳥遊君、何を歌うー?」

「ほえ!?」


 みゆきちが急に声をかけてきたので思わず変な声が出た。


「また、何か発動してるしー」


 みゆきちがケラケラと笑いながら俺の肩を叩いてくる。


「だ、大丈夫だよー。さて、みゆきち、歌っていいよー」

「小鳥遊君、先に歌ったら? 緊張してるし、ほぐれるかもよ?」


 なるほど。

 それはいいかもしれない。

 歌詞が流れる画面に集中すればいいのだ。


「それでいこー……」


 俺は曲を入れ、マイクを持ち、歌い始めた。

 みゆきちが言うように歌い始めると、緊張がほぐれていくことがわかる。

 そして、歌い終えた時には完全にさっきまでの自分に戻っていた。


「上手だねー!」


 俺が歌い終え、みゆきちは笑顔で拍手している。


「ありがとー」


 まあ、俺は別に上手くない。

 壊滅的に下手というわけでもないが、歌が上手だねって言われたこともない。

 お世辞だと思うが、みゆきちに言われると、嬉しいね。


「小鳥遊君が元に戻ったところで私も歌おー」

「起立した方がいい?」

「なんでよー。国歌じゃないんだからー」


 みゆきちがあははと笑いながら、曲を入れた。

 俺はみゆきちの歌のイントロが流れ始めたので、目を閉じ、胸に手を当てる。


「だから国歌じゃないし、大層なもんじゃないからー」


 マイクで大きくなったみゆきちの声が部屋に響いた。

 俺は冗談はこのあたりにして真面目に聞くことにする。


 みゆきちの歌はすごく良かった。

 特に声が良かった。

 まあ、上手いか下手かで言えば、とても言いにくいので言葉を選ばしてもらう必要がある。


 みゆきちはそのまま歌い終え、マイクをテーブルに置くと、お茶をグイっと飲む。


「みゆきち、良かったよー。いつまでも聞いていたいと思う歌声だったー」


 俺は拍手をしながらみゆきちを褒める。


「精一杯のお世辞をありがとー。歌は好きだけど、あんま得意じゃないんだー」

「そんなことないよー」

「じゃあ、採点する? 小鳥遊君の方が遥かに高いと思うけど」

「やめようよー。歌はソウルだよー」


 採点をしたらみゆきちが拗ねるところしか想像が出来ない。


「前にアリアに面白くない下手さって言われたなー」


 あいつは何を言っているんだ!

 まったくもって同意するけど、言葉を選びなさい!

 今度、説教しておこう!


「別にいいじゃん。楽しも、楽しも」

「だねー。じゃあ、次は小鳥遊君の十八番を入れてねー」


 歌いにくいことを言うなー……


 俺達はその後もカラオケで歌を歌い続ける。

 何曲歌ったかはわからないが、久しぶりのカラオケでテスト勉強のストレスが発散できた気がした。




 ◆◇◆




 カラオケでかなりの時間をつぶした後、俺とみゆきちはカラオケを出ると、再度、施設内を見て回る。


「本当に色々あるねー」


 みゆきちがキョロキョロと周りを見渡しながらつぶやいた。


「だねー。始めてきたけど、本当に色々あって飽きないわ」

「ホント、ホント! あ、バスケコート発見!」


 そういえば、部活したいって言ってなー。


「行ってみよっかー」

「うん!」


 俺達は3on3が出来るミニバスケコートに行く。


「おー、何か懐かしい気がするー」


 コートに来ると、バスケゴールを見上げたみゆきちが感慨深く言う。


「2週間くらいでしょー」


 俺はみゆきちにツッコみながら持っていたバスケボールをシュートする。

 すると、ボールは見事にゴールに決まった。


「おー! 小鳥遊君、本当に上手だねー」

「いや、この距離なら入るでしょ」


 3ポイントでもなく、目の前にあれば100パーセントじゃないけど、バスケ部なら高確率で決められる。

 三島は微妙だけど…………


 みゆきちはボールを拾うと、そのままシュートをする。

 すると、きれいにボールはリング内に吸い込まれていった。


「ほらー。みゆきちだって上手いじゃん」

「まあねー。現役ですから!」


 みゆきちは平均より少し大きい胸を張り、自慢げだ。


 俺はボールを拾うと、ドリブルしながら歩き、ゴールから離れる。

 そして、ドリブルをしながら走り出し、ゴールを放った。


「華麗なるレイアーープ!」


 俺が放ったレイアップシュートはまたしてもゴールに吸い込まれていった。


「ヒカリちゃんだ! いっつもそれ言ってる!」

「あいつ、小学生からそれ言ってるよ」


 成長せんのかね?


「小鳥遊君は何て言ってたの?」

「庶民シュートかボールを置いてくるーって叫んでた」

「小鳥遊君、その漫画が好きだね。この前も三島君に左手は添えるだけって叫んでたし」


 言ったっけ?


「いつ?」

「この前、3ポイント決めてた時」


 あー、はいはい。

 言ったわ。


「あれね。味方がフリースローする時に言ってたやつだわ。味方の邪魔すんなって監督に怒られたやつ」

「そりゃ怒られるわ。私だったら絶対に集中をそがれるもん」


 だよねー。

 というか、みゆきち、俺が元バスケ部なことを知っているっぽいなー。

 まあ、同中だった女バス連中が言うか。

 俺、元キャプテンの現みゆきちのストーカーらしいし。


「やっぱそっかー。応援だったのになー」

「ヤジだよ…………ねえねえ、ダンクできる?」


 いや、俺、そこまで背は高くない。


「跳び箱の板があればできるよー」

「やったんだね……それで三島君が怒られたんだね」


 よくわかるな…………

 俺はもっと良いものがないかと用具室を漁っていたから怒られていない。

 もちろん、言い出しっぺはキャプテンの俺だけど。


「三島はすぐに怒られるんだよねー」

「三島君、かわいそう……」

「まあ、あいつはそういうヤツだから」

「女バスで1年の子ですら三島君を煽る意味がわかってきたよ……」


 み、三島はそういうヤツだから。

 今度から優しくしてやろう。


「三島はどうでもいいからバスケしよう」

「うーん、そうだねー。勝負しよっか?」

「何の? 1on1はやめた方が…………」


 体が当たっちゃうかもしれないじゃん。


「いや、男子対女子は無理でしょ。ってか、小鳥遊君に勝てる訳ないし。シュートで勝負しよー」

「シュート? 何本決められるかとか?」

「あー、そうだねー。10本中何本かで決めよー」

「いいけど、俺、空気読めないよ?」


 似たようなことをして女バスからブーイングを受けたことがある。

 なお、ブーイングの主導は妹だった。


「本気で大丈夫だよー」


 みゆきちは自信があるようだ。


「じゃあ、やろっかー」


 俺達は交互にシュートを打っていく。

 みゆきちは自信の通り、すごくシュートが上手く、バンバンと決めていった。

 そして、10本中8本も決め、かなりの成績を残した。


「みゆきち、すごーい。上手だねー」

「…………うん。小鳥遊君って、本当に空気読めないんだね。全部決められると私の立場が…………あ、あの時の三島君の気持ちがわかった」


 俺は10本中10本決めた。

 ごめんね。


「たまたまだよー」

「本当に上手いよね。さすがはキャプテン」


 それ、同中のヤツのセリフじゃない?


「いやー、シュートは得意なもんで…………」

「よーし! やっぱり1on1で決着をつけてやる! かかってこい、キャプテン!」


 俺、キャプテンどころかバスケ部ですらないんですけど……


 リベンジに燃えるみゆきちを止めることが出来ず、1on1で勝負することとなった。

 さすがに手を抜いたというか、みゆきちが近づくと固まってしまい、俺は大差で負けてしまった。

 だって、いい匂いがするし、柔らかそうなんだもん。


 俺達はかなりの汗をかいたのでジュースを飲みながら汗を拭き、休憩することにした。

 みゆきちはベンチに腰掛け、俺はその近くで立っている。


「あー、はっちゃけすぎた」


 みゆきちがジュースを飲みながら笑った。


「まあねー。俺、久しぶりに体を動かした気がするわ」


 部活がないと、体育くらいだもんなー。


「あはは。ちゃんと動かないとー。将来、太るよー」

「怖いことを言う……」

「今、何時かなー?」


 俺はみゆきちに聞かれたので時計を見る。


「4時半だねー」

「もうそんな時間かー。テスト勉強はあんなに時間が経つのが遅いのに今日はすごく早かったなー」


 俺もそう思う。

 いつの間にやらって感じだ。

 それほどまでに楽しかった。


 この施設はもちろんのこと、みゆきちと一緒に遊んだことがだ。

 しかも、この前の映画とは違う。

 今日はほぼ筆談をしていない。

 少なくとも、ここに来てからはすべてしゃべって会話をしている。


 多分、俺の声は小さかっただろうし、聞き取りにくかっただろう。

 だが、それでもやはりしゃべった方が楽しかったと思うし、一緒に何かをやるのは楽しかった。


 ましてや、その相手がみゆきちなのだから余計に楽しかった。


「今日は楽しかった?」

「うん! とっても! 誘ってくれてありがとうねー!」


 みゆきちも楽しかったらしい。

 みゆきちの顔を見ると、みゆきちの笑顔は本当にかわいくて、輝いて見える。

 俺はずっとこの笑顔を見たいと思った。


 俺はベンチに腰かけているみゆきちの横に座る。


「バスケは楽しい?」


 俺はみゆきちにわかりきったことを聞く。


「楽しいよー。走るのは辛いけどねー…………あのさ、小鳥遊君はなんでバスケを辞めたの?」


 みゆきちがこちらを向いて聞いてくる。

 俺はみゆきちの方を見ずに口を開いた。


「それ以上のものが見つかったからねー。バスケの熱が消えちゃった」

「消えちゃったの?」

「いや、今でもバスケは楽しいよ。でも、部活は無理かなー」

「ふーん、後悔はないの?」

「ないよー。というか、実は辞めて良かったと思ってる」

「そうなの?」


 みゆきちが意外そうな声を出す。


「うん。部活やってたら絶対に勉強してないからねー。成績が悪いまんま」


 絶対にそうなっている。

 部活を理由に勉強をしないのが俺だ。


「あー…………まあ、それはあるかー……」


 みゆきちは上に向き、納得する。


「さっき、それ以上のものが見つかったって言ったじゃん?」

「言ったねー」

「それが何かわかる?」

「それ、私に聞く? スルーしたのにー」


 みゆきちが笑った。

 みゆきちだって、わかっていることだろう。

 でも、みゆきちからは言いにくい。


「ごめん、ごめん。あのさ、みゆきちにちゃんと謝らないといけないことがあるんだよ」

「なーに?」


 俺はみゆきちの方を向き、みゆきちの目を見る。

 すると、みゆきちも俺の方を向き、完全に目が合った。


 そして、俺は固まった。


「……………………」

「……………………」


 あかん……

 動かなくなった。

 さすがにプロポーズはしないけど、固まっちゃったよ。


「小鳥遊君、落ち着いて。待つから。ゆっくりでいいからしゃべってみて」


 みゆきちはそう言って俺の手を取った。

 俺はその手を反射的に握ってしまった。


「あれ? 俺の手、動くじゃん」

「そらそうでしょ」


 ああ…………動くのか……

 そういえば、普通にしゃべれもする。


 俺はみゆきちの手をぎゅっと握り、離し、また握った。

 そして、一度、みゆきちから目線を切り、前を向くと、もう一度、みゆきちを見た。


 みゆきちはいつも通り、かわいい顔をしているが、もう光ってはいなかった。

 メデューサかバジリスクの生まれ変わりの様な目は普通の子の目だった。


 でも、俺の心は変わらず、みゆきちの事が好きなままだった。


「そうか…………みゆきち、人間だったのか…………」


 俺はようやくみゆきちの目を見て、しゃべれるようになった。


「そうです。私は人間です。何だと思ってたの?」

「女神かメデューサかバジリスクの生まれ変わりかと」

「ひど。女神はともかくメデューサとバジリスクはひどい」


 確かにひどすぎるね。


「ごめーん」

「いやいいよ。言いたいことはわかるしね…………小鳥遊君、普通にしゃべってるね」

「のろ…………病気が治ったよ」

「私が呪いをかけたみたいに言わないでよ」


 みゆきちが俺の手を握ったまま笑う。


「ミスった…………みゆきちにちゃんと謝らないといけないことがあるんだ」

「あ、話が戻った。うんうん。なーに?」

「去年の入学式の日にいきなりプロポーズしてごめん。ビックリしたでしょ?」


 俺は例のプロポーズ事件を謝ることにした。


「うん。いきなりプロポーズはさすがにビックリしたよ。でも、もういいよ。謝罪は去年、アリアを通して受け取ったし」

「直接言うべきと思ってねー」

「まあ、そうかもねー。わかった。謝罪は受け取りました。私は気にしてないので大丈夫です」


 みゆきちは許してくれるらしい。

 というか、口ぶりからしてあんま気にしてないっぽい。


「それとありがとう。ロクにしゃべれず、目を合わせることもできない俺に色々と付き合ってもらって」

「それこそいいよー。私も楽しかったしね。今日だってすごく楽しかった」


 みゆきちはまたも笑う。

 こうして顔をちゃんと見て話すと、みゆきちがよく笑う子だとわかる。

 前にみゆきちが言ったように会話は相手の顔を見ると、表情がわかって、いいな。

 俺はみゆきち相手にこれを1年以上できなかったのだ。


「俺はまた2人で遊びたいと思っている。夏休みも夏休みが明けてもさ。来年は受験だけど、合間でもいいし、一緒に受験勉強をしてもいい。一緒にいたいと思っている。それがバスケよりも大事なもの」

「なるほどー」

「みゆきち…………これからも一緒にいてほしい。友達としてじゃなくて、恋人として付き合ってほしい」


 俺はみゆきちの手を握ったまま、みゆきちの目を見て、告白した。

 俺が想定していた告白の図とは多少、違っているが、まあいい。


「なるほどねー」


 みゆきちはそう言うと、俺から手を離し、前を向いた。


「小鳥遊君、私も君に謝らないといけないことがある」


 みゆきちがは前を向いたまま言う。


「なーに?」

「去年の入学式の時に逃げてごめんね」

「いや、そら逃げるでしょ。初対面のヤツがいきなりプロポーズしてきたんだからさ」


 完全に事案だよ。

 下手すると、俺は停学になってたんじゃないかな?


「ううん。私は逃げるつもりはなかったの。ただビックリして気付いたら走ってただけ。それに初対面ではないよ」

「うん? 初対面では? どっかで会った?」

「会ったというより、私は知ってる。桜中とは練習試合してたし、それだけじゃなくてもバスケの試合で何度も見かけたしねー」


 マジ?

 俺はみゆきちを認識したことはないんだけど。


「そうなんだ……」

「まあ、小鳥遊君は知らないよ。私が一方的に知っているだけ。だって、小鳥遊君、うるさいんだもん。桜中の監督さんの『小鳥遊兄妹、黙れ!』は何度も聞いたよ」


 よく言われたなー。

 試合を見に来た母親が恥ずかしそうだった。


「あれは、うん…………チームを鼓舞するためにね…………」

「言いつくろわなくてもいいよ。ホントにうるさかったもん。でも、楽しそうだった……本当に楽しそうだった。小鳥遊君もヒカリちゃんも他のバスケ部の人達も楽しそうだった。私はいいなーって見てたよ」


 まあ、楽しかったのは事実だ。

 バスケもだし、チームメイトと騒ぐのは楽しかった。


「私がこの高校を選んだのは小鳥遊君がいるからだよ。桜中はこの高校だしね」


 ほえ?

 そうなの?


「マジ?」

「マジ…………正直に言えば、私の成績だったらもっと上も狙えたもん。アリアもいたし、小鳥遊君もいるならこの高校にしよーっていうのが志望理由」


 そういえば、みゆきちって成績良いもんなー。

 確かにもっと上の進学校もいけただろう。


「だからね…………私はあの時、逃げずにちゃんと答えるつもりだった。あの時のごめんなさいは逃げたことに対するごめんなさい」


 みゆきちはそう言って、俺の方を向き、再度、手を握ってきた。


「小鳥遊君、ごめんなさい。あなたとは結婚は出来ません。何故なら私達はまだ未成年だから。そして、順序がおかしい。だからお友達から始めましょう…………これがあの時の答え………………それで、さっきの答えは……………」


 みゆきちは口を閉ざし、下を向く。

 そして、顔を上げた。


「私も今日みたいに一緒に遊びたいし、一緒にいたいと思う。それは友達としてじゃなくて、恋人として…………結婚は出来ないけど、付き合いたいです…………」


 その言葉を聞いた俺は握っているみゆきちの手を引き、抱きしめた。


「…………ありがとう」


 俺はみゆきちの柔らかい身体を抱きしめたまま感謝の言葉をつぶやいた。


「うん…………ごめん。ちょっと離れて。動いたから汗が…………匂いが…………」


 みゆきちは自分の匂いを気にしているようだが、無視する。


「みゆきちさー、今日、朝、お風呂入った? 朝からすげーいい匂いがしてるわ。もちろん今も」

「まあ、うん…………いや、小鳥遊君もでしょ」


 まあ、シャワーを浴びましたね。


「やっぱりかー。おかげでカラオケでキョドったわー」

「あれはそれか…………小鳥遊君さー…………さっきの告白、プロポーズするつもりだったでしょ?」


 俺達はお互いを抱きしめたまま、笑い合う。


「…………うん。踏みとどまった」

「やっぱりね。夏休み明けはともかく、来年のことを言い出した時に大学とかそれ以降も言うつもりだろうなーと思ってた」

「…………うん。踏みとどまった」

「結婚は無理だよー」

「俺の人生計画は10年後、20年後も見据えているから」

「ちなみに、どんなの?」

「生まれてくる女の子の名前はミカかな」

「委員長じゃん! 稗田先輩じゃん!」

「お世話になったから。筆談を提案してくれたのも、目を見ることを提案してくれたのもあの人だし」


 ちょー感謝。


「あー……私も相談に乗ってもらったなー…………いや、余計に重荷になるよ!」

「そういえば、断られたわ」

「でしょうね!」


 止めておくか…………

 結婚式の感謝の手紙を読むにとどめておこう。

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