第13話 価値観の、ぶつかり合い。

この扉を開けたなら。

ひとり。漠然とした価値観があります。


そうなのです、ひとり。

価値観は帯びていますが、それだけでは意味を成しません。

何の効用もありませぬ。


何にも作用することなく、ひとり。


「人は、ひとりでは生きてゆけぬ」

ひとり。狂気を湛えても、心、壊れても、気づかれませぬ。


知らないまま。

己も知らないうちに光り朽ちてゆきます。




価値観は。

時に邪魔です。


なぜでしょう?


人の話を聴く時に、です。


人と話をする時に、です。



己の、価値観を発して、相手の価値観を責めてしまっては。

何も生まれませぬ。



知りました。

私は、知ったのです。




人は、それぞれ生きてゆきます。


その過程で以て、価値観は育まれてゆくのです。




私が、そうであったように。

相手も、また、そうであった。



その過程で生まれた価値観で、それぞれ生きます。



価値観を、己の内で、相殺して、統率され、淘汰され。

価値観は残ります。



価値観と価値観の、ぶつかり合い。


人と話しても、また、ぶつかる。

己の内で、相手に知られることなく。

また、表情を汲み取り合い、己の内で淘汰されます。


人との作用。

人への作用。


これなくては、私は、ただの価値観です。


ぼんやりと帯びた価値観を、己、知ることなく。

表出する術を持たねば、無なのです。










さて、《これ》は、《あなた》に、作用していますか?

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