第3話 チュートリアル

 淡い期待を胸に話しを進めて行こうと思う。

「エリアの掌握をするにはどうすれば良いの?」

 そう頭で考えた途端、目の前に透明なタブレットのような物が現れた。


『そのタブレットの右上に「地図」があるので指でタップするイメージをしてみてください』

 

 パツコさんはそう言って右上を伸縮棒で指している。

 タブレットをよく見ると、真ん中に10000Pと表示されている。

 右上に「地図」と書いてある所をタップするイメージをしてみると、画面が切り替わり、おそらく今現在いる場所にピンが刺さっている地図が表示された。 

 

『地図はイメージをすれば拡大されたり縮小することが出来ます。拡大は家 一家一家から縮小は星の大きさまで、好きな縮尺で調整できます』


『エリアの掌握をするには、地図の左下にあるクレヨンマークをタップし、そのまま塗りつぶして行きます。やってみましょう』


 やってみましょうと言われても…。人が多い場所と言われると、当然東京が思いつくわけで、新宿、渋谷当たりにしてみるか?とクレヨンマークでそこら辺を適当に塗り潰してみる。

 すると途中でクレヨンマークが消えてしまった。

 そして画面には『このエリアで宜しいですか?「はい」「いいえ」』と出ている。


 『初期ポイントがなくなってしまったようですね。とりあえずエリアの掌握はこの場所でよろしいですか?宜しければ「はい」を選んでタップを。「いいえ」を選ぶと、やり直す事も出来ます』


 まあとりあえずこれでいいかな?と思いながらも一旦「いいえ」を選んだ。


 すると画面が初期画面に戻り、真ん中のポイントは変わらず1万Pと表示されている。


 大事なことを確認していなかったことに気付いたので質問してみる。 

 

「ナビゲーターさん。ポイントが回収されるタイミングって何時なんですか」


『質問にお答え致します。夜中の0時を回るときにその日1日掌握したエリアに踏み込んだ一定の大きさ以上の生物から、極少量の生命エネルギーが回収されるようになっております』


 ということはいまが午前1時だから今日1日ゆっくり考えれるかな?それとも通勤時間前には大都市周辺は掌握しておいたほうが得なのか?


 それと一定の大きさとはどの程度の者なのか気になるところだなぁ…と考えていると。


『一定の大きさについてお答え致します。この世界で言うところの5cm以上の生物となります』   

 

「おお!俺が思ってる以上に小さいサイズの生物から回収されるなぁ」とかなり期待が膨らんできた。


 よし、もう一度エリアの掌握をしようとタブレットに目を向けてみると、ポイントの数字の左下に「ポイント交換」という項目があることに気付く。


 何かポイント獲得に役立つアイテムがあるかもしれないと思い、「ポイント交換」をタップしてみた。


 すると画面が変わりズラーッと品目と交換Pが並んでいるページが現れた。


 上の方にジャンル別というのが有るので取りあえずタップ。


 「モンスター」「スキルブック」「魔法スクロール」「薬品」「アップ系」と項目が出てきた。


 気になる項目が多数有るが、少し眠くなってきてるのでとりあえず「アップ系」を選ぶ。

 「力アップ」「俊敏アップ」

 「器用アップ」「魔力アップ」

 「生命エネルギー回収量×○倍」

 「掌握エリア指定範囲量×○倍」

 「モンスター交換時×○倍」

 「ダンジョン制作範囲×○倍」

 etc…

 まるでRPGのステータスアップのアイテムなどなど、様々なアップ系のアイテムがる中、自分が狙ってた掌握エリアを塗りつぶすのに、うってつけな商品が有ることにホッとむねを撫で下ろしたところだった。


 とりあえず「掌握エリア指定範囲量×5倍

」というアイテムを5000Pで交換してみた。


 持ちPは5000Pになってしまったが25000P分は塗れるようになったということで間違ってないよね?よね??


 まあやってみようじゃないか!と意気込んでタブレット内にあるアイテムを使ってから「地図」を又タップする。 

 

 今度は新宿駅と渋谷駅などの乗り入れの多い駅を指定して行こうと思う。

「さて新宿駅周辺と渋谷駅と…あれ渋谷駅が選べない…」

 助けてパツコさーん!


『……お答え致します。飛び地での掌握は出来ませんので陸続きで掌握していって下さい。』


なるほど、そう云うことか…そしたら新宿駅周辺から山手線上を細く伸ばして渋谷駅、そしてそのまま山手線上で伸ばして東京駅まで伸ばすことが出来、そして途中の駅周辺も塗り潰していき、最後に「はい」をタップ。


 これでポイントは0Pとなってしまったので、しばらくは何もすることはなさそうかな?

 ポイントがどの程度の量で貯まるのかはわからないが、俺にはそこまで残された時間はないので最後までやり遂げれるかわからないのだが……。 


 そんなことを頭の中で考えながら少し疲れて来たのでとりあえずここまでにして休むことにする。  

  

 




 








 



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