🐳

🐳

 「くじらさん! なんですか! それ!」


 ユリちゃんはオレに気づくと、食堂脇のベンチをとびおりバタバタとかけてくる。

 せっかく着た浴衣が崩れないか心配だ。


 「めちゃくちゃ、かわいいですよ!」


 かわいい⁉︎


 納品だから、て、オレは朧月に、彼の同居人が選んだとゆう甚平を着せられていた。

 藍染の海に、裾のところで大きなくじらの頭がのぞいている。


 六月二十日、午後十二時。

 依頼完了を報告。


 「ぼくと一緒に、ホタルを、見にいきましょう」


【おしまい】

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【🐳完結 5分読書②🌸】くじらのキモチ 浩太 @umizora_5

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ