5-2.会話の自然さを出すなら、お題以外も結構混ぜた方がいいと思うんですよねー

No.5666バトルドーム

No.9786エビングハウスの忘却曲線

No.14おととい



「あ、言っとくけど。あぶれとるやつが問題作って、選んだ2人が勉強するって感じやから、むしろ選ばんかったほうが大変なことになるで」

「「はあ!?」」

「じゃあ、俺はアニメ系は作問側に行くわ。だで、山さん化学の作問に行って、生物解きや?」

「うわ。どっちもどっちか。アニメ作問は林のほうがいいかもやし。しゃあなしな」

「よし、じゃあこれで暫定的な分担は終わりな」

「暫定的ってことは?」

「まだジャンルを細分化したりするかもしれへんから、そんときはそんとき」

「うへえ」

「よし、じゃああと1年しかないで、各自勉強するか」

「あいよー」「おう!」




「進捗は?」

「ん? とりあえず今日向けに問題は作ってきた。とりあえずペーパーな」

「さすが山さん。小谷は?」

「え? おれ?」

「おまえ」

「いや。それはいいやん。とりあえず山さんのやつ解こうや」

「「お前なんもやってないな?」」

「いや、なにもやってないわけがないやろ」

「せやんな? お前が『俺らも高校生クイズ出たい!』言うから始めたのにな」

「小谷っていつもそうやからな。言い出しっぺするけど、すーぐ飽きるもんな」

「飽きてないやん。まだやる気が出てないだけやん」

「せめて地方大会はいいところまで出て映らんと逆に恥ずかしいで? けっこうマジでやらんとえぐいで?」

「まじ?」

「うわ。やる気失せた」

「おい、タコ野郎か! 精神が軟弱にもほどがあるやろ!」

「いや、自分発案なのに、周りがここまで熱気持つと、逆にやる気失せるやん」

「知らん! いいからやる気出せ!」

「あー、飽きた。あ、スーファミする?」

「は? なんでそんなん持って来てんねん」

「実家にあっても誰も遊ばんから、なら俺がって」

「ま、ええけどもや。……。1回遊ぶか」

「まあな」

「じゃあ、何する?」

「俺スーファミ触るの始めてや」

「え、最初のハードなんやったん?」

「たぶん、PS2。か、セガサターン」

「64もやってないの!?」

「友達の家で何回か触ったはず。たしか、『カスタムロボ』やってたな」

「うわ、知らんけど」

「で、なにすんねん。てか、なにがあるん?」

「『マリオカート』、普通の『マリオ』、『ストリートファイター』、『パネルでポン』、『バトルドーム』」

「は!? バトルドームのゲームあんの?」

「やってみる?」

「いや、あんま興味ないけど」

「いや、やってみようや。俺CMしか知らんけど」

「俺も」

「俺、ゲームしかやったことないけど」

「じゃあやるか。4人対戦? CP込み?」

「やったと思う。俺も昔過ぎて覚えてへん」




「なんなん! マジで! 目の前にこんな障害物あったら邪魔やんけ!」

「本家ってどんなんやったんやろ」

「にしても、玉の動きすごくね? これスーファミの時期に作ったんやろ? バケモンやん」

「これ、脳みそ死にながらできるし、なんか問題出してや」

「あー、じゃあ。心理学系な」

「うわ。それジャンルなんなん?」

「一般教養?」

「一般って何なんやろな」

「じゃあ、『情報を覚えた直後よりも、一定時間たった後の方が、記憶を呼び覚ましやすい』的なやつ」

「いや、しらんしらん」「知るか!」

「レミニセンスな」

「いや知らんて」「初耳」

「不勉強かよ、お前ら」

「不勉強だわ。やから今から勉強するんやろがい」

「知らないことを誇るという。無知の知。でも、調べられることを調べないのはさすがに愚の骨頂」

「ええから、次!」

「えっと『レミニセンスのうち、10分以内に起こる無意味な文字の羅列に対しての効果は?』」

「は?」「レミニセンス知らん奴がわかるわけないやろ」

「ワード・ホブランド効果ね」

「え? もう1回」

「ワード・ホブランド」

「ワード・ホブランド?」

「そう」

「人名?」

「知らん」

「調べとけや」

「そこまでは出んやん? 現象の名前までわかっとけばよくね?」

「まあ、そうではあるんやけど」

「はい次。『レミニセンスのうち、数日の間に起こる意味のある内容の記憶に対する効果は?』」

「いや、やから知らんて」「2個目があるのかよ」

「バラード?」

「バラード?」

「バラード・ウィ?」

「バラード・ウィルソン!」「バラード・ウィスコンシン!」

「バラード・ウィリ?」

「バラード・ウィリアウム!」「バラード・ウィリアムズ!」

「バラード・ウィリアムズでした!」

「え、どっちが正解?」

「小谷。ウィリアムズって言ったやろ?」

「え、たぶん」

「なんで覚えてないねん」

「はい、覚えたね? レミニセンスのうち、短期で無意味な方がワード・ホブランド。長期で有意味な方がバラード・ウィリアムズ」

「うわ、まじめに勉強させてくるやん。きもい」

「おい」

「まあまあ、次いってや」

「次なー。『エビングハウスの忘却曲線』で有名なエビングハウスのもう一つの業績は?」

「錯視!」

「は?」

「それ、俺知ってたで」

「え、それこそキモイやん」「なんでこんなこと知ってんねん」

「いや、それ調べたことあって。あれ、忘却率じゃないんやろ?」

「あー、そう。そう。節約率やった」

「あー、そんなんやった。なんかよくわからんまま『ふーん』で終わったんやけど」

「え、マジでキモイ」

「しかもこれあれや。昨日調べてん」

「は? タイミングよすぎか?」

「このエピソード記憶は忘れんやろなー」

「なんかうぜえな」

「なんとでも言いやがれ」

「おとといきやがれ!」

「うわ、なんかちょうどいい言葉出された気がする。めっちゃうぜえ」

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