共に見つめた夕焼けとスパゲティの赤。それはかけがえのない家族の軌跡。

小学校の図工の先生を務める女性・淳美には、まるで自分の家族のように触れ合う隣家の家族がいます。
毎週土曜、そこで作るスパゲティは、家族のその時々の状況を語り合う大切な機会。
素直で明るい浩哉と、いつもじっくりと淳美に語りかけてくれる「菊次おじちゃん」との会話は特に心に残ります。

彼らと見つめた夕焼けの色。一緒に食べたスパゲティの色。
その「赤」は、菊次の「予後」に忘れられない色を添えていきます。

これまでも、これからも続いていく、大切な家族の思い出と共に。
まるで絵を描くように、様々な色を置いていく淳美の毎日。
鮮やかで温かな、じんわりと余韻を残していく、素敵な作品です。

その他のおすすめレビュー

黒須友香さんの他のおすすめレビュー1,079