若の本音

竹君は、俺を拒もうとする。


さっきは、キスをしてくれたのにキスをしようとしたら首を横に向けた。


「何で、嫌がるん?こっち、ちゃんと見て。口開けてみ」


「いやや。」


「ほら、ゆうこと聞いて。竹君」


「いややで、さん


「何で、嫌がるん?」


「俺は、食べ物ちゃう。」


「愛して欲しいん?」


竹君は、目を合わせない。


「若をずっと想ったって。俺は、ええから、ちょっ」


俺は、苛ついて無理やりキスをして舌をねじ込んだ。


「やめ…や。」


「涎垂らして、ゆう言葉?」


「俺をいじめたいだけやろ?」


「違う。そんなんやないよ。俺は、たつくんを愛してるから、あの三ヶ月は、ホンマに奇跡やった。それやのに、竹君が、悪いんやで。キスなんか受け入れるから…。だって、俺は、ずっと竹君でしてたんやで。そんなん受け入れられたら、欲しなる。」


竹君は、涙目で俺を見つめる。


「若とやろ?俺やないやん。」


「違う。たつくんには、抱かれたいと思ったけど。竹君は、抱きたいやった。あの顔、俺もさせたかった。」


「あの顔ってなんや。」


「ほら、初めて受け入れてから1ヶ月した時に…。またしてたやん。俺が、きゅうの家に泊った日。俺、ずっーと聞き耳たててた。そしたら、してたやん。ほら、わかるやろ?」


竹君は、俺の言葉の意味を理解した。


「しろってゆってんの?俺に…。今、ここで」


「そんなんゆうてへんやん。」


「さっさと終わらせよ。やったるから…」


「何ゆうてんの?嫌に決まってるやん。竹君が、ちゃんと受け入れてからしかせんよ。」


「三、ほんならどいてや」


「自分から、キスしてくれたらどいたるよ。」


竹君は、涙を流してる。


嫌の涙なのか、怖い涙なのか…。


よく、わからなかった。


「三」


優しく頬に手を当ててくれる。


少し、震えながらキスをしてきた。


竹君は、本当に優しいのがわかる。


キスも信じられないぐらい、優しい。


俺は、自分の目から涙が流れてるのに気づいていた。


竹君が、唇を離して、俺ものいた。


「若の手紙、見せてみ」


パジャマを着ながら、竹君はそう言った。


九を傷つけ、竹君を傷つけた。


ストッパーになるつもりが、破壊したのではないだろうか…


俺は、竹君のパジャマを着た。


「なあー。三。イケメンツートップやねんで。兄ちゃんと竹君」


「すごいな。九」


「そんな二人に、愛されてる僕らは最強やな」


「そやな」


小学三年生の時に、九が言った言葉を思い出した。


そんな二人を自分の手の中におさめようとする俺は、最低や。


ズボンのポケットから、財布を取った。


スマホもはいる長財布を俺は、チェーンで繋げてポケットにいれていた。


だから、これしか、持ち歩かない。


リビングに先に行った竹君の所に行く。


「水飲むやろ?」


「うん」


おしゃれなグラスに入った水をくれた。


「見せてみ。ソファーいこか」


そのグラスを持って、ソファーに行く。


並んで座る。


俺は、竹君に財布の中からビニールにいれてる手紙を差し出した。


「読んでいいか?」


「うん」


その手紙を読んで、竹君は笑って言った。


「三、これは若の嘘やから」


「何でわかるん?」


「ここ、九って書いてるやろ?若は、嘘つく時、九ってゆうねん。」


「しらんかった」


「俺も、やった時に嘘つかれてん。それで、知ったから…。若に聞いたら、そうやって白状したわ。だから、気にせんと九と仲直りしぃ。九は、許してくれるで」


竹君は、手紙を渡して俺の頭をワシワシ撫でてくれた。


「優しくせんとってくれ」


「三…」


「さっき、泣いてたくせに。優しくせんとってや。震えてたやん。俺が怖いか嫌いなんやろ?たつくんがいなくなって欠けた部分を、竹君に優しくされたら補いたくなる。欲しくなる。だから、優しくせんとってくれ」


「三は、何を望んでるん?俺にどうして欲しいん?さっきも、ゆうたけど…。俺は、キス以上の関係があんまり好きやない。体の繋がりを求めるんやったら、別の人にするべきやと思うねん。なあー?三」


竹君は、俺の頭を撫でようとした。


ガキみたいに、しようとする。


俺は、パシンってその手を払いのけた。


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