上映後 手紙を出す

「央美君、懐かしいね。」


「先生」


はやては、俺の頬を撫でる。


「央美君のお父さんは、酷い人だったよね。はやて」


「そうだな。ショタコンだっけ?まさか、結末があれだとはね。先生は、何故弁護士をやめたのかな?」


「そうだよね。何か、小説にして欲しいって依頼がかなりきてるらしいよ。もうちょっと、央美君の父親の内容。詳しく知りたいって」


「凛は、先生演じてどう思った?」


「俺は、央美君の事を先生は好きだったのかな?って思うんだよね。父親の事件で、調べてた時から…。」


「それ、何かわかる。央美君を助けるために弁護士をやめたのかもなー。先生は…。小説にしてくれるのかな?室木結むろきゆい先生。」


「さあね。してくれたら、読みたいよね。結構、この作品好きだったから…。」


「鼓動の速さでわかる事、凛を愛してる事」


「鼓動の速さでわかる事、はやてを愛してる事」


俺とはやては、キスをした。



次の日、はやての腕の中で目が覚めた。


「うーん。おはよう」


「おはよう」


チュッ…。


「今日は、夕方から仕事だー。凛は?」


「俺も、夕方」


「じゃあ、まだゆっくり出来るね」


「だけど、手紙出してくるよ。コンビニで」


「俺も行くー。」


「週刊誌に叩かれたらまずいからいてよね。はやて、何かいる?」


「食パン買ってきて、後、豆乳と」


「了解」


俺は、立ち上がって服を着替えた。


水を飲んで、帽子をかぶってマスクをする。


はやての家を出て、鍵を閉めた。


はやての家の近くのコンビニは、ポストがあるから助かる。


コンビニに行って、ポストに手紙をいれた。


食パンと豆乳を買った。


お会計をして、店をでた。


【どうか、大宮さんがきてくれますように】


心の中で、お祈りをしてからコンビニを後にした。


ガチャ…


「ただいま」


「おかえりー。」


「はい、これ」


鍵を閉めた。


「フレンチトースト、食べる?」


「食べる」


はやては、フレンチトーストを作りに行った。


「大宮さん、来てくれるといいね」


「うん、来て欲しい」


「凛が、仲良くなりたいなんて初めてだよね。」


「そうだよなー。はやて以外と基本いないしなぁー。」


「わかるよ。わかる」


はやては、そう言いながらフレンチトーストを作ってる。


はやてとの交際が、バレたくないから…。


業界でも似てる人しか仲良くなっていない。


「出来たよ。お待たせ。本当は、もう少し時間かけたかったけどね。」


「うまそう。」


「コーヒーいれるね」


俺は、はやてからフレンチトーストを受け取ってテーブルに置いた。



「はい、コーヒー」


「ありがとう」


「食べようか?」


「うん、いただきます」


「いただきます」


俺と、はやてはフレンチトーストを食べる。


「うまいよ、うまい」


「凛の顔、嬉しい」


そう言って、はやてはニコニコ笑う。


ピンポーン


「誰?」


「海ちゃん」


「今、開ける」


海ちゃんは、はやてに開けられて入ってきた。


「かっちゃんまでいるじゃん」


「まだ、時間じゃないけど」


「嬉しい話だから、すぐ来ちゃった」


「嬉しい話?」


「な、なんと」


「パンパカパーン。」


「何?」


「こどはやの続編とスピンオフが、決まりました。」


「本当に言ってんの?」


「Blu-rayが、異例の大ヒットらしいです。そして、何より室木むろき先生が小説にするなら凛君とはやて君に演じていただきたいそうです。」


「それは、すげー。嬉しい」


「三ヶ月後に、台本届きます。」


「めちゃくちゃ嬉しい」


俺とはやては、めちゃくちゃ喜んだ。


「スピンオフって?」


「阿久津君の人気と奏太君の人気がスゴいらしくて、スピンオフが決まりました。」


「俺達関係あるの?」


「関係あるよ。奏太のbarに通ってる央美君と先生もえがくそうですよ。阿久津君の方は、弁護士の先生で登場です。楽しみですね」


「かっちゃん、めっちゃ喜んでるじゃん」


「海ちゃんも」


「だって、代表作が出来ると思うと嬉しくて…。それが、こどはやなんて…。」


「かっちゃんも、省略するんだな」


「でも、また央美君演じれるの嬉しいよ。凛は?」


「俺も、先生演じられるの嬉しいな。あのキャラクター、もうちょっと掘り下げたかったから」


「わかる。俺も、央美君もうちょっと丁寧に演じたいな」


「今回は、央美君の父親との話も詳しくでてくるらしいよ」


「へー。結構、衝撃強そうだね。」


俺とはやては、コーヒーを飲んでる。


「かっちゃんと海ちゃんのコーヒーいれてくるね。」



「ありがとうございます。」


「はやては、舞台終わったらすぐ撮影って事か…。」


「そうだね。凛は?」


「ドラマ終わって、すぐだな。でも、【鼓動の速さでわかる事】は、大事な作品だから。大変でもやりとげたいな」


「はい、コーヒーどうぞ」


「ありがとう」


「そうですね。無事に完成させましょう。」


続編が、撮れるなんて思っていなくて、すごく嬉しかった。


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