第11話外国人

あれは、22年前名古屋に流れ着いた頃の話し。

吉野家に自分と彼女の分の、牛丼をテイクアウトしようとした時だ。

当時は、パリパリの鹿児島訛りで話しているもんだがら、受け付けた店員のババアが何度も注文を繰り返して聞く。

挙げ句「店長、外国人が来たからレジに来て下さい!」と言う。

僕は怒りが湧いたが、何とか牛丼の並と特盛をゲットした。


それから、僕は深夜のコンビニ用弁当を作るアルバイトを始めた。

一定の場所に集まり、ハイエースで工場まで送ってもらえる。

ブラジル人が多かった。

そこで、社員が仕事の指示を出す。

「君は、どこの国の人かな?」

「日本人だ!バカヤロー」

そのバイトは3日で辞めた。

僕は、正しい日本語を話しながらも、外国人に誤解される運命なのだ。

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