第6話ちょっとイヤらしい誤解

休み時間、トイレの小をしていた。

すると、同じクラスの男が、

「ハヅルのちんこ、デカそうだ~」

と、覗き込んでくる。

「やめろよ!気持ち悪い。僕は短小包茎だよ」

「彼女がハヅルとのエッチ、気持ちいいって、言ってたよ!」

「何だって?あの、くそアマが!」

体育の授業中、僕はソフトボールをしていた。打順が回ってくるまで、校舎の日陰で休んでいた。

「ハヅル、昨日もしたんだって?」

「みっちゃん、何の事?」

「エッチ」

「誰が言い触らすんだ!クソガキがっ!」

「まぁ、まぁ、竹内が気持ち良かったらいいんじゃない?デカちん君」

「なっ!」

僕は顔が紅くなる。


放課後。

「ねえ、お前、オレのちんこの事しゃべった?」

「うん」

「ば、バカヤロー。オレは巨根だって言うウワサが流れてるじゃないか!」

「だから?大きさなんて関係ないよ。わたしたち、相性いいんだから」

「……何の?」

「セックス」


水泳の時間。男子は教室でさっさと水着に着替えた。

「ハヅル、包茎じゃん」

「だから?」

「巨根だと思ってたのに」

「右手が恋人の君に言う。ちんこのデカさじゃなんだ。相性なんだよ!」

「……そうか」

「早く彼女を作りなさい」

「オレ、右手が恋人でいいや。妊娠の心配しなくていいから」

「うん、実に良い言い訳だ!」

これを期に、トイレの際、覗き込むバカはいなくなった。

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