オール種族美少女達をチョロイン化? ドスケベフェロモンを使って外交します

マイケル・フランクリン

プロローグ ヤバイ外交術


 ヌメヌメした粘液みたいなモンスターは美少女に絡みつく。

 その光景は僕の欲情を煽るにはとても効果的なものだった。

「孝雄? 気持ち悪い……このぺ〇みたいなやつらぶっ殺したい」


 この言動がなければ、このエッチな光景を楽しめたのだが……


「知里。スライムをぶっ殺したら中層間での講和条約が結べなくなる。スライム族と戦争になったら僕達じゃどうしようもできないぞ」


「でも……だからってこんなヌメヌメ……いや~」

 知里は僕に抗議をかねて睨みつけてくる。

 しかし、僕は知らんぷりを決め込んだ。


「う~。気持ち悪い~。この糞スライム達、ぶっ殺したいよぉ~」

 だっ、駄目だ知里。その衝動に身を任せたら僕の後始末が大変になる。


「うぎゃ~、糞モンスターが。飛び散れ気持ち悪い!」

 女の子とは思えない程の荒々しい語気で言い放った後、彼女は身体から電流を放つ。

 スライムは全身を焼かれて蒸発してしまった。


「おっ、終わった……スライムを敵に回したら戦争になっちゃう」

「孝雄……ヌメヌメ気持ち悪いよ~」

「知里。こっち来ないで」

「コボルトとの交渉の時さえ、そんなこと言わなかったのに酷い……」


「もう。こうなったらけつぶち外交だ。知里」


「あっ、あれを? あれは嫌。あれやるくらいならスライム皆殺しにする~」

「いやいや。これは他の人やモンスターのためなんだぞ? 中層のモンスターと交渉して、資源を採集させて貰わなきゃハウスのモンスター達は平和に暮らすことはできないんだぞ」


「でも。おっ、お尻は恥ずかしい。孝雄との羞恥プレイだとしてもモンスターの前で尻を叩かれるのは辛い」


「でっ、でも。モンスターの溜飲を下げるにはお尻を叩くしかないんだよ?」

「いっ、いや。孝雄、尻叩く時変身するでしょ!」

「しっ、仕方ないじゃないか。体質のせいなんだから」

「あれ。傍から見たらコスプレA〇みたいなものだからね。私、絶対に嫌!」

 知里はかたくなだった。


「すっ、スライムさんも集まっていることだし……諦めて尻叩かれよう」

 僕は知里を説得する。

「く~。どうしても? どうしても叩かれないと駄目なの?」

「知里。君のお尻は平和の犠牲になるんだ」

 

「たっ、孝雄が変態の鎧になった」

「へっ、変態って言わないでよ。僕は君のお尻が大好きなだけなんだから」


「大好きってこんなに嬉しくないものなの?」

「知里。二度目は流石に駄目、だよ」

 僕は知里の尻を叩いた。

 スパーンという快音が洞窟に響いた。

 

 スライム達は口々に、

「美少女のお尻が叩かれるのを生で見ることができるとは……」

「我々はヌメヌメにすることしかできないからな。赤らめているのがまた、おもむきがある」

 と大絶賛している。


 このスライム達。変態の集まりだな。


 僕が知里の尻を叩いた甲斐もあって、スライム達との講和条約を結ぶことに成功したのであった。









 後日。

 ダンジョン浅層の入り口前。


「孝雄、お尻!」

「いや。えっ?」

「スライム達の前で羞恥プレイしたの、絶対に許さないから」

「いや。あれは仕方ないじゃん。ああでもしなきゃスライム達と講和条約を結べなかったんだから」

「うるさい。尻出せ」


 と知里は僕のズボンを降ろそうとしてくる。

「やっ、止めてぇ~。知里に本気で叩かれたらしばらく動けなくなっちゃうよ」


「しばいてやる。二度と尻ぶち外交なんてやらせない!」

「なんじゃなんじゃ。入り口前で騒ぎおって……」


 ハウスの入り口前から現れたのは白銀の髪と白磁の肌を持ったスレンダーな女性だった。彼女の名前は雪芽。雪女である。 

 そんな彼女は僕がズボンを脱がされているのを見て、顔を赤らめる。


「おっ……おお! 孝雄や。脱ぎおって。いきなりどうしたというのじゃ?」

 動揺している女性を見た知里はにやりと笑い、

「私と孝雄はこれから愛を育む。のじゃ残念雪女は指でもしゃぶってるといい」

「なに~。わしを差し置いてその小娘と変態行為をするというのか」

「ゆっ、雪芽さん。落ち着いて」

「ならんならん。小娘に孝雄の操をやるくらいならわしが奪ってくれるっ!」


「やれるものならやってみろ」

 知里は怒る雪芽さんに対して言い返す。

「むき~」

 と怒った雪芽さんは犬歯を剥き出しにしながら冷気を放つ。

 僕は見る見るうちに全身を氷漬けにされる。

「あの。せめて、ズボン履いてからに」

 と言うが、僕の声が届くことはない。


「あら~。変態さんの氷のオブジェはっけ~ん」

 ハウスにピンク髪が特徴的なグラマーな女性がやってくる。

 彼女は久国美也。どうしようもないドSだ。


「くんくん。あ~、くっせ~。くっせ~変態の匂いがするぅ。こんな匂い我慢できるの私だけだね~。後、顔面何発かぶん殴ってもいい?」

「あんた。そんな気軽に人間ぶん殴っててよくギルドから冒険者の資格をはく奪されませんねぇ!」


「冗談だって。でも、そんな可愛い声で鳴かれると興奮するかもっ」

 美也さんは僕の唇に唇を合わせるキスをしてきた。


「なっ!」

「にっ!」

 小競り合いをしていた二人は共闘するべき敵を見つけたようだ。

 けど、僕のことを放置しないで欲しい。


「あの。誰でもいいので助けて」

 ハウスの方に向けて叫ぶと、赤色の髪と褐色の肌、所々に赤色のうろこがあるのが特徴の女性が現れる。彼女は沙羅。サラマンダーだ。


「なんだい坊や。また雪芽に怒られたのかい? ただでさえあんたのフェロモンはどうしようもないっていうのに」

 沙羅さんは抗議しながらも、氷を溶かしてくれた。


「ありがとうございます、沙羅さん」

「それより雪芽を連れ戻してきてくれないかい? ジャッジがぐずってるんだ」

「あの子、まだ幼児退行していたんですね」

「雪芽をママだと思い込んでる。マザコン拗らせた結果だね」


 と僕達が噂していると、少女達がハウスから飛び出してくる。


「雪芽ママ~。私のこと置いてかないで~」

「待ってジャッジちゃん。落ち着いてぇ!」

 先頭の少女がエリザベス・ジャッジ。幼児退行した残念な少女。

 それを追うのが香ちゃん。重力を扱えるモンスターだ。種別はよく分からない。

 さらにそんな香ちゃんの後を付いて回る背丈の高い寡黙な女の子はサイクロプスの

 彩子ちゃんだ。


「もう、仕方ないのぅ。ほら、おいで。エリ―」

「ママ~。もうどこにもいかないでぇ」

「仕方ないのぅ」

 と雪芽さんが頭を撫でてやる。

 すると、ジャッジは落ち着きを取り戻す。


「おい、ババア。中入ってオヤツ作ってろ。私は姉貴ぶっ殺してゲームセットしてくるからよぉ」


「おっ、落ち着くのじゃ。エリ―」

「くりくりちゃん。姉貴ぶっ殺そうぜ」

「賛成。この淫乱は退治しなければならない」

「二人共。ぶっ壊されないように頑張ってね~」

 ジャッジと知里、美也さんの三人がバチバチにやり合っている。


「あの。これ、どうします?」

 僕は沙羅さんに質問した。

「放っておけばいいのさ」

「そう……ですね」

 僕達は争い合う三人を放って、ハウスの中に入ることにしたのだった。


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