第5話 お出かけ

ある日の放課後――――



「なあ」



ドキッ



「何よ」

「イイ男できた?」

「えっ?」

「七夕の願い事、叶ったか?谷神愛霞」

「さあね!」

「その反応じゃ、まだってやつだ」

「うるさいなっ!」



日賀は、私をイジるだけイジり部活へ行った。





凄い ムカつく奴だけど


憎めない アイツ


あなたの想いは


何処にある?


あなたにとって


私は…どういう存在?






ある日の事。




「ねえ、美佐」

「ん?」


「美佐って、運命って信じる?もしくは、運命の人とか…」


「運命…?アハハハ…そんなの信じないって!」

「だよね…?」

「えっ?まさか、愛霞、信じてるの?」


「いや…信じているっていうか…何というか…いや…前にね占い師の人に運命の人が現れるって言われたの」


「うん、それで?」


「イニシャルKの人とかって言われたんだけど、まだ会った試しなくて…」


「インチキ占い師じゃない?」

「えっ…?」

「まさか、言われて、心の隅に信じているとか?」


「…まあ…ちょっとは…期待していたんだけど…実は…もう会ってたりして気付いてないとか?」


「愛霞…大丈夫?運命とか、16、17の高校生が言う言葉じゃないから」


「だよね…」




そこへ―――



「君達、可愛いね。ドライブ行かない?」

「結構です!」

「じゃあ、カラオケとか?」

「歌下手なんだ!他当たって下さい!」

「じゃあボーリングは?」

「嫌です!」



私達は去り始める。



「そう言わないでさー」



その時だ。



「俺達の女に何か用?」



声がし振り返る視線の先には…



ドキッ



《日賀…》



スッと割って入る日賀と、友達と思われる男の子。




「悪いけど、彼女達、俺らの連れだから」


「チッ!行くぞ!」

「ああ」




「…あ、ありがとう…」




グイッと肩を抱き寄せる日賀。



ドキッ



「お礼なら付き合えよ。ま・な・か」と、日賀。


「何、その呼び方!辞めてよ!」


「えっ?二人って知り合い?」と、男の子。


「クラスメイト。つーか、この後、どうするよ?って野郎達で話してた所だったんだよな〜。真弥(まさや)」


「ああ」


「つー事で、フレンドデートな!」


「やだ!あんたと休日まで一緒にいたくないんだけど!?」


「ねえ、彼女、名前は何?」


「美佐」


「美佐ちゃん?OK!お前は…用済み!」

「ムカつく!」



私達は騒ぐ中、出掛ける事にした。




その日、美佐と真弥君と別れ――――




「今日は、付き合わせて悪かったな」


「えっ?あ…ううん。つーか、噂になっても知らないよ」


「別に気にしねーし!つーか、眼鏡の下、俺しか知らねーから問題なくね?お前、美人なんだから。つーか、前は眼鏡掛けてなかったって話じゃん!」



「あ…うん」

「急にどうしたんだ?」

「…それは…」


「それだけ美人なら、ありのままで来れば良いじゃん!学校」


「美人だからって良いものじゃないよ…見た目が大事だし。第一印象って…やっぱ大切だよ」



「………………」



「何かあったのか?」


「ないよ。それじゃ」



グイッと引き止められ、キスされた。


ドキッ




「…悪い…じゃあな」

「日賀!」

「何?」


「あんたにとって…私は何?クラスメイトなだけ?キスする理由は何?私は…」



「………………」



「…ごめん…」



歩み寄る日賀。



「お前…自分の容姿隠してる理由って…男知ってるってイメージつくりたくなかったからなんだろう?」


「…それは…」


「だったら隠し通せば?だけど、俺以外に知られるのは、辞めておいた方が良いかもな。まあ、いつしかバラす時くるなら…お前との事…考える」


「えっ…?」



そう言うと、キスをし、深いキスをされた。



「俺も、色々あって、マジ恋愛なんてと思っている、ご身分なんで。じゃあな」




日賀は帰って行った。





















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