運命の人

ハル

第1話 運命の人??

「…あなた…運命の人が現れるみたいね……」

「えっ!?う、運命の人!?」

「ええ」

「あの…どういう人ですか?」

「…イニシャル…K」

「本当ですか?ヤッターっ!!ありがとうございます!!」



占いの館を出る私。



「あっ!ちょっと!待っ…」




呼び止めるも、私は、そのまま帰って行く。




「運命の人♪これで、16年間の彼氏いない歴が逃れるーーっ!」


「…その方とは…波瀾万丈なのに…」




私、谷神 愛霞(やがみ まなか)。16歳。


4月から高校2年生。


そして、転入生として○○国府附属学園に登校する事になり、まだまだ春休み中の今、街の探索と下見に行った時の事―――



「ここかーー。あ〜〜〜友達とか誰もいないから超不安で心配なんだけど……」




そこへ―――




コロコロ……


風に吹かれ、サッカーボールが私の足元に転がって来る。




「…サッカーボール……」

「わりぃ、それ取ってくんねーー?」




ドキン



「嘘…超イケメン…もしかして彼が運命の人??」


「おいっ!ボールっ!!テメェ、聞こえてねーわけじゃねぇんだろっ!?そこの女っ!!」




ムカッ

腹立つ言いぐさにムカつく。




「…顔はイケメンだけど、性格悪いんじゃない!?初対面なのにさー…何かマジムカつくんですけど…」



「おいっ!女っ!聞こえ…」




スッ


ボールを手に取り、男の子目掛けて思いっ切り投げるが、わざと遠くに飛ばす。




「うわっ!ちょ、何処見て投げ…目開いてんか!?テメェ!」




ムカッ



「フンッ!」



私は目を反らし去って行く。




「うわー…超感じ悪ーー……つーか見掛けねー顔。同級生(タメ)にいたっけ?性格よろしくねー奴の顔とイイ女の顔はハッキリ覚えてんだけど……初顔…?何処の女だよ!!」





春。4月。



「はあ…気が重い……アイツいなきゃ良いけど…」




ガラッ


後ろの戸が開く。



《何?新学期早々、遅刻するなんて良い度胸してる》




「…ちぃーーす…」


「…ん?君は…?新学期早々、遅刻か?名前は?」


「日賀 慶亮(かが けいすけ)。ここ、2年C組だよな?俺、間違ってねぇよな?」




《何か…嫌な…予感…》




「コラッ!その口の効き方何とかならんのか?」


「別に良いだろ?」




そして振り向き私に気付き目が合う私達。




「何?転入生?転入生ならさー、もっとイケてる子が転入してくれば良いのにさーー、ただのダサ女じゃん!」




ムカッ


腹が立つ。



《やっぱり…コイツ…あん時の…》



「コラッ!日賀っ!全くお前は遅刻した上、文句を言うな!後で、転入生を校内案内しろ!!」


「はあぁぁぁぁっ!?何だよ!それ!罰ってやつ?うわー!やってらんねーーっ!」


「文句ばかり言ってないで分かったのか?返事は?」


「はいはい。すりゃー良いんだろ!?」




席につき始める、日賀慶亮。




《…うわー…日賀って…Kじゃんよ!!》


《絶対コイツじゃない!!いやいや、絶っ対!神に誓って、ない!ない!》





「はい。全員揃った所で、谷神、自己紹介をしなさい!」


「あ、は、はい。谷神…愛霞です…えーと…分からない事ばかりなので色々と教えて……」


「色々ってーー?あんな事や、こんな事も?」


日賀慶亮が言った。



「おおーーっ!!言ってくれるねぇ〜、慶亮君!」


「コラッ!辞めんかっ!」


「だってさ、何か真面目そうだし、何も知らなさそうじゃん?」


日賀慶亮が言った、



「勉強だけの脳みそってやつ?」



男子生徒は茶化す。




《コイツら…マジムカつく!特にアイツだけは!あんな奴程、女=Hだけの脳みそなんだから》



「コラッ!…すまない…谷神…席についてもらえるか?」


「は、はい…」





私は渋々、席につく。




《はあ〜…転入早々…こんなのって…最悪…》



そして昼休み時間、私は校内を案内してもらうんだけど――――




「…眼鏡…ダサくねー?」

「…良いでしょう!?放っておいて!」


「うわー…性格きっつー。お前、どっちかっつーと友達いねータイプだろ?」



「………………」



「何、何?その反応…図星!?」

「失礼な人っ!!そんなわけありません!!」

「ふーん」



私達は騒ぐ中、校内案内をしてもらうのだった。



























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