幕間 リコール女

 文化祭の班が決まった。僕たちの班は、僕小南と、中学から同じの九重、通称ジジョー、高校になってたまに話したりするエロゲー仲間の兼田、そして教室のことには我関せずといつも不機嫌そうな顔をしている花籠君だ。


 若干の不安要素もあるけれど、そんなに悪くない班の気がする。花籠君が自己紹介のときに好きな漫画をからくりサーカスと言ってたから絶対に悪い人間じゃない。僕も大好きだから。

 話しかけるのはちょっと躊躇われるけれど。

 それに、何故だか為近さんもこの班に関係ないのに混ざっていたし。リコールされたけど。花籠君がボソッとそう表現したとき思わず吹き出してしまった。


 ひとしきり三人で駄弁った後(クラスの誰が夏休み明けに一皮剥けただのつまらない話)、やることないし帰ろうかとなったとき、再び為近さんが舞い戻った。


「花籠さ、ツーンってしてるように見えるけどああ見えて実は超面白い奴だから喋ってみなよ!じゃあな!ぶいーーん」


 一言残すとすぐさま去って行った。

 車ネタ気に入ったんだ……。


 そんな為近さんの言葉に、僕たち三人は顔を見合わせる。

 おそらく気持ちは一つ。 

 個人的には言われる前から話しかけてみたいとは思ってたけどさぁ、それはそれとして。


「「「絶対許さない!!!」」」


 男たちは、かわい子ちゃんに気にかけてもらえる色男を許せないと誓ったのであった。

 話しかけるというか、あの男絶対に詰めてやろうぜと。そういうことになった。

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