第7話 わたしのこと

 いったい何故・・

 わたしは、あんなに泣いたんだろう。しかも、陛下様の胸にすがり付いて。


 ひとりぽっちは、いつもの事。慣れているのに。


 いったい何故・・

 陛下様は、なにも聞かず、ずっと泣かせてくれていたんだろう。


 自分の事も分からないのに、陛下様の事がわかるわけないのだ。


 わたしは、自分の気持ちを表に出すのが、苦手だ。見えない他人の気持ちを、汲み取るのも、疲れる。とくに、恋愛に関してはなおのこと。


 傷つかない様にして来た。


 この人の事、好きかも知れない位で、止めておくのだ。


 自己完結型恋愛だ。


 心に傷が付く事がない。だからずっと、心が弱いままなのかも知れない。

 雨が嫌いと言われただけで、自己否定された気分になり、そんな人からは、早々に撤退した。


 そうやって、生きて来た。


 でも 凛、これからも そうやって生きていくの?


 雨上がりの、芽吹く様を見て、自分は変わらなくては、と思ったのではないの。


 わたしは、答えを探して、自分の内を永遠と歩き回った。


 歩いても歩いても、臆病で固くなな凛が居るばかりだった。


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