調査
「何年間か昔に、遺体が見付かった事件があったよな?」
後輩は、パソコンをカタカタと鳴らし、
画面とにらめっこをしている。
後輩「ええ。
確か、、資料室に記録があったかと。」
「おう。
サンキュー。」
今じゃ、全部パソコンにデータとして保存され、
最近の事件の資料は、全部パソコンの中だ。
昔は、全部手書きで。
「字が汚ねえ!」
なんて、ドヤされたのによ。
後輩「いえいえ。」
「邪魔するぜえ。」
「その声は、、
おぉ。珍しいじゃないか。」
彼は、俺と一緒でずっとここに居る。
通称やっさん。とは長い付き合いになる。
資料室と言う名の埃っぽい部屋の窓際で、
昔の捜査資料をパソコンに入力して、
情報の管理を任されている。
まあ、ただある事件がきっかけで。
ここへ追いやられちまっただけなんだけどよ、、
「元気でやってるかい?」
差し込むし日差しに照らされ、
溜まったファイルの山の隙間から、
白髪頭の眼鏡を掛けた彼がこちらを覗く。
やっさん「まあ、ぼちぼちだよ。
ここでは、もう。
君と、私だけになってしまったね、、
次々と若いのが入って来て。
私なんかみたいのは、こうして。
時代と共に隅へと追いやられてしまうのさ。」
机の上のファイルを退かし、
お茶を入れようとする手を止める。
「なあに言ってんだい!
まだまだ若いのには負けてらんねえよ?」
コップに息を吹き掛け、
自分でポットへとお湯を注ぎ、
温かいお茶を啜る。
やっさん「あはは。
まあ、世間話は良いとして。
何か用があったんだろう??」
「あぁ。」
>>旧友
>>大福
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