第30話
朝食を食べ終え、現在…僕は一人で近くの平原へとやってきた。
この平原は初心者の
出現する魔物も1〜4となっている。
なんでそんなところに来たかと言うと散歩みたいなものだ。
「…天気も良し、散歩日和だな〜」
そんな呑気な事を呟きながら広い平原を歩く。魔物は見当たらないし、仮に見つけたとしても敵対されてない限り倒さない。
自由行動で久しぶりの一人になった。…だから何々しようと言う気持ちは無い。ただ、ゆっくりしようと言う気持ちだけだ。
ミルアが一緒なら絶対に飽きるだろうね…主にミルアが。
「……お、あれは?」
遠くに人が居るね。…どうやら、魔物と戦っているようだ。頑張ってくれ。
助けるなんてことはしない。向こうが助けを求めてきたら助けるけどね?もしくは、死にかけの時。
戦っている最中に何も言わずに手助け、そして魔物を倒したら横取りとなるので冒険者としては禁止されている。
「さて…向こうの方にも行ってみよう」
目線の先には森。確か、3〜5の魔物が出現する中級者向けの場所だ。
散歩と言っていたが、一人で魔物を倒すか。最近はミルアが一緒だったからな〜。一人で魔物が倒すことが出来るのか?一人の動きが出来るのか、確認のためだ。
◆
ズバッと魔物を斬り殺す。
「…しまった。どうやって持ち帰ろうか………よし!魔石だけ持って帰ろう」
今倒したのはキラービー、子供並みの大きさと毒を持つ蜂型の魔物だ。それが僕の周りに3体…いや3匹。
キラービーは5の魔物だ。単体なら4だが、基本的に3匹以上で行動しており、戦闘時に連携しながら攻撃してくるからだ。
森へと入って少しした後、ブーーーンと羽音を響かせながら僕に向かってきたので返り討ちにしてやった。
とは言え、倒したのは良いが持ち帰る手段がなかった事を思い出し、小型ナイフでキラービーの体内を抉って小さな魔石を取り出す。
魔物体内に生成される白〜黒色をしている小型から大型の石。
形はバラバラでゴツゴツしたものから丸っこいもの、逆に尖り過ぎて魔石で人を貫けそうなものまで…
魔石は黒色に近いものほど高価だ。しかし、黒の魔石を持つ魔物なんてそうそう居ない。最低でも7からだ。
魔石の利用方法は様々で武器から装飾、魔道具、儀式用…ほとんどのものに使用可能だが、人間に対し使うと悪魔化すると言われている。
悪魔、よく魔族と間違われている人類の敵だ。この世のものとは思えない姿をとり、目につくもの全てを破壊する。そして、その強さも凄まじいとされている。と、言ってもあくまで純悪魔の場合ってだけだ。
人間から悪魔へと変化した場合、強さはそんなに…って感じらしい。…ふむ、なんでか寒いな。気にしないようにしよっ。
キラービーから取り出した魔石は三つとも白寄りの灰色だ。形も同種族という事なのか似ている。普通のそこら辺に転がってそうなゴツゴツとした魔石だ。
僕は魔石を仕舞って再び歩き出す。そういえば、今頃ミルアは何をしてるのか少し気になった。
◆
「中々に収穫だったね〜」
あの後も森を歩いていたら魔物に襲われたので全てを返り討ち。魔石だけを取ってきた。流石に多かったので皮袋に全て入れたらゴリュ、ガリュッとかジャラジャラとした音が歩くたびにする。
これら全てを換金したら…うぅーん、いくらかな?金貨10枚辺りは欲張り過ぎか。2、3枚辺り貰えたら良いくらいかな?
ワクワクドキドキしながら王都の冒険者組合へと向かう。
道中、特に魔物と出会うことはなく平和だった。そう思ったのはやや日が暮れており平原の向こうに見えるお日様が少し眩しかったからだ。
冒険者組合へと行き、換金場で魔石を換金した。そして、金額は金貨2枚だった。予想通りって感じ。
宿へと帰ったがミルアはまだ帰ってないようだった。
僕は装備を外してベットにゆっくりと腰をかけ、一息ついた。
一人で久々に行動してみた訳だが…楽しかった。言い方は悪いが、誰にも縛られずに自由に行動出来る。爽感じれた。…しかし、何か物足りなさも同時に感じられた。
この物足りなさの正体は恐らくミルアなのかな?…だとしたら、早いね。僕は既に…ミルアと一緒に行動するのが当たり前、って感じになってきてるのかな?
「……剣の手入れでもしよう」
特にすることもないからね〜。
僕は薄紫色をした剣を軽く手入れしていく。職人ではないので雑な手入れなんだろうけど、やらないよりはマシなはず。
そこからミルアが帰ってくるまで剣の手入れを続けた。
ミルアは片手に袋を持って帰ってきた。中身はなんなのかと聞こうとしたが、嫌な予感がしたのでやめた。
案の定、袋の中身はミルアの下着だった。…危ない危ない。もし聞いていたら…セクハラ扱いされてたかもね。
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