睡眠学習をしていたら、美少女がいちいち起こしてくる件について

瑞稀つむぎ

いつも寝ている猪狩くん

ねぇねぇ。

猪狩くん?

猪狩一斗くん?

起きて。

隣の席の美少女が貴方を起こしていますよ。

ほら、起きてよ。

これが、漫画ならここで起きて、「あぁ~。可愛いマイハニー。起こしくれてありがとう。」とかなるところだよ。

あれ、それはなんか変だな。

まぁ、いっか。

ともかく、起きないと、こちょこちょするよ。

いいの?

こんな美少女にこちょこちょされたら恥ずかしくて耐えられなくなるでしょ?

あ、起きた。

何?

耐えられるって。

失礼だな。

猪狩くんみたいな、凡人が私にこちょこちょされるなんて夢のまた夢だよ。

そんな事を言っていいのかい?

私は、そんな事を言う奴なんかと絶対に付き合わないからな。

でも…。

猪狩くんなら、ギりのギりのギり中のギりというか。

私が、猪狩くんを私に合う男子に育ててあげるというか。

そんなこと、どうでもいいんだけど。

もう。

大変だったんだからね。

猪狩くんを起こすの。

猪狩くんてば、何回呼び掛けても起きてくれないんだもん。

もう、どうしようかと思った。

なに?社会の授業はつまらないって?

わかる。

わかるよ。

わかるけど。頑張って!

応援してるから!

ほら、行くよ!

猪狩くんの健闘を祈って。

三三七拍子~。

そ~れ!

タン・タン・タン!

タン・タン・タン!

タン・タン・タン・タン・タン・タン・タン!

それ!

タン・タン・タン!

タン・タン・タン!

タン・タン・タン・タン・タン・タン・タン!

どう、元気でた?

応援委員会の美少女による、猪狩くんのためだけの応援だよ。

これで、社会の時間も乗りきれるでしょ!

え…、無理?

じゃあ、もう1回!

猪狩くんの健闘を祈って。

三三七拍子~。

そ~れ!

タン・タン・タン!

タン・タン・タン!

タン・タン・タン・タン・タン・タン・タン!

それ!

タン・タン・タン!

いや、三三七拍子以外もできるよ。

あ、なるほど。

猪狩くんは、三三七拍子がお気に召さなかった訳か!

おっけ~!

じゃあ、次行くよ。

猪狩!ファイト!おー!

猪狩!猪狩!猪狩!猪狩!

ハイハイ!猪狩!おー!

え、駄目?

なんで~?

あ、また寝た!

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