魔法入試試験 終了

ガイドは、フィールドを見つめて、ただ唖然としていた。

氷の魔法師を探してはいたが、まさか 探していた人物に会えると思っていなかったのだ。


ガイドは身を乗りだすと氷の魔法師と、もう1人…入口の近くに男の人がいるのが見えた。


「火の魔法…」『火の魔法師達も都市には近づくことなく暮らしてると聞いたことあるけど…』

はっ…!ガイドが、フィールド入口へ目をやると、軍を引き連れた シオン帝国魔法騎士団の団長の姿があった。


ガイドは身を低くし様子を伺った。あまり、帝国側の人間には会いたくない。


「土の魔法騎士団…ガロウ団長…」


「そこの2人、やめぃっ!!」

ずっしりと重みを感じる低い声が響き渡った。

アルスとトウマは睨み付けるように、ガロウ団長へ目をむけた。


トウマは直ぐに、はっと我にかえったように「いやっ!あのですね!すみませんでしたー!!てか、お前も謝れよ!」


「………。」

トウマのノリにも反応することなく、アルスはうつ向いていた。さっきまで、横で煩く喋っていた竜もマントの中へ潜りこんでいる。


「氷の魔法師に火の魔法師。今年の試験は面白いのが参加しているな!この騒ぎは見過ごせないが…。」


ガロウ団長は、回りを見渡すなり、にっこりと口元を微笑ませ話を続けた。


「試験の責任者は私なのだが、ここで2人には合格を言い渡そう!」


「へっ…?!」

トウマは気の抜けた返事を返す。


「より強く賢い者が合格するのが実技試験!二人は残っているのだから、問題ないと思うのだが?」

「その代わり!騒動を起こした分は、きっちり 働いてもらいたいので後で私の元へきなさい。特に、トウマ。君は壊した柵を直してきなさい」


「はいぃいぃぃ……!!」

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