ＢＬを読まないエセＢＬ好き、ＢＬを語る。

８．職業ＢＬ。

ＢＬには、いろんな職業を舞台にした作品がある。

芸能人だったり、ホストだったり……。

カフェ・バー・パティシエ・モデル・美容師・バンドマン・ウリ専・警察・医者・探偵……等々。

中でも興味深いのは、ヤクザ・極道もの。

これは私の偏見でしかないが、マンガにしても、ドラマや映画にしても、女性はヤクザ・極道ものを、あまり好まないように思う。

だが、ヤクザ・極道もののＢＬは、結構多い。

これまで、作家も読者も、共に女性のイメージが強かったＢＬも、それなりに市民権を得て、今は男性の作家や読者も増えてはいるだろう。

しかし、まだまだ女性のイメージが強いＢＬ。

なぜ、こんなにもヤクザ・極道ものが重宝されるのか。

――これは、「ヤンキー子犬理論」なのではないだろうか。

雨の日に、ヤンキーが子犬を拾っているのを見かけ、怖そうに見えて、実は優しくていい人、というギャップを狙った王道のシチュエーション。

これの、ヤクザ・極道バージョンなのでは、と。

正直、私もヤクザ・極道もののＢＬは嫌いではない。

嫌いではない……、がっ。

みんな大好き「若頭」。っていうか、ほとんどの場合、若頭。

使いたくなる気持ちは分かる。

肩書として分かりやすいし、言いやすい。

そして何より響きがカッコイイ。

でも「実際、そんな若くてイケメンの（いや、イケメンは居るかもしれないが）若頭、居ねぇーからっ！」と、頭の中でこっそりツッコんでしまうのは、私だけだろうか。