これだから酔っ払いってやつは!

 困った事情を抱えてお酒に逃げているらしい大学生が、いよいよ進退極まって占い師に縋るお話。

 完全にタイトル通りの掌編です。
 ……いやあの、確かにタイトルの通りではあるんですけど!

 完全に油断して読んでいたら、なんか急に予想外のパワーで横っ面をぶん殴られたような気分です。
 衝撃の展開、というかなんというか。だってまさかそんな、えぇ〜っ?(ネタバレになっちゃうので詳細は内緒)

 主人公の徹底した酔っ払いっぷりが楽しくて好き。
 冒頭からひたすら飲んでる、という以前に、もう文章そのものがもう完全にへべれけなのが最高でした。
 まさに一人称体ならではの妙味というか、本当に読んで字の如くの酒乱感がすごい。

 何度も、しかもいろんな意味で「ヤバい」と感じさせてくれる、強烈な主人公がたまらない作品でした。