(柚季視点)浄化

 駅へと続く裏道。


 私は独り、走り出した彼を見送った。

 その背中は、いつの間にか大きくなったように見えて。


 手元には、昨日から用意してあったチョコレートの包み。これはもう、用が無くなってしまったな。



 これで、よかったんだよね。



 そう言い聞かせながら、私は笑顔で居続けたけれど、彼の姿は遂に見えなくなる。


 私は、久しぶりに声を出して泣いていた。

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