高1の春 season 5

翌日の放課後に、

女子短距離のキャプテンである七瀬が

私たちの教室に入ってきた。


七瀬「結乃、見て。」と、

女子短距離の日誌を開いてきた。


今日の練習メニューに、わたしの名前があった。


結乃「ちょ。え、わたしも参加しらんば…?」

と唖然した。

「まぁ、暇だからまぁいいか!って、部活着は持ってない…。」


結局は、体操服を着て参加。


結乃「え、遥斗も?」

遥斗「…。先輩が来い!と…」


遥斗は男子短距離メンバーと、

わたしは女子短距離メンバーと一緒に練習。


ウォーミングアップだったり、ジョギングだったり、

基本ステップだったり、練習をした。

タイヤ押し、タイヤ引き、流し(走る)、

スタートの練習もして、すぐ疲れちゃった。


けど、1人よりみんなと一緒にした方が楽しくて、

面白いお喋りをしてたら、疲れがすぐ飛んだ。

楽しくて、さっそく翌日から毎日に参加をした。


ある日、わたしの同級生たちも陸上部に入部し、

練習が始まった。


高3は、七瀬と聖と、坂田

坂田 楓馬(さかだ そうま)。

坂田は体格がすごくて、サッカーに一途。

男子短距離のキャプテンであって、

生徒会長にも活動をしてる。


高2は、陸翔と、蓬沢 栞奈(よもぎさわ かんな)、

仲口 喜章(なかぐち よしあき)、

佐伯 蒼空(さえき そら)。


栞奈は陸翔と幼稚部の時からずっと一緒で、

勉強が出来て頭がいい子。

あと、陸上では、九州ろう学校陸上大会で、100mと200mが速いの有名みたい。


九州ろう学校陸上大会とは、年に1回に行われて、

九州のあちこちにあるろう学校の生徒たちを集めて

陸上で競う大会。

毎年の9月か10月に開催される。


喜章は、幼稚部の時、このろう学校にいたらしく、

戻ってきたみたい。

マイペースであって気分的に変わるけど、お喋り屋。


蒼空は、幼稚部の時、聖と遥斗もわたしも一緒にいた。

背が高くて細くてすごくマイペースだけど、

アニメが大好き。

けど、意外に頭が良くて知識がすごい。


計で、14人。


毎日毎日、にぎやかで練習に励む私たち。


高3のは、本当は4人いるけど、

1人はちょっと訳があって部活というより、

散歩や運動。


高1の私たち、全員も短距離だった。

監督 兼 短距離の指導である唐橋先生が

毎日、日誌に練習メニューを書いてあって

私たちはその内容に従って練習をする日々。


ある日。女子短距離メンバーの私たちは一緒に

同じペースでジョギングをする時、

校内コースで1周ごとに、前の人は交代しながら、

そのペースに合わせてジョギング。


わたしが前になって、

わたしのペースで5人が合わせてくる。


心春「結乃、ペース上げすぎ。下げて…速いって…」

結乃「あ、ごめん…。」


ペースを下げてゆっくり走るうちに、

だんだん…。


心春「待って。疲れちゃう。速い…」

結乃「ごめん…」

七瀬「結乃のペースはこれが普通?きつくない?ゆっくりペースだと、どんな感じ?」

結乃「すごくゆっくりの感じ…」

心春「それなら、結乃だけ自分のペースで走ったらいいじゃない?」

七瀬と栞奈は相談をし、

わたしに「大丈夫…?」と。


結乃「全然、大丈夫です!」


あれから毎日、ジョギングだけはわたし1人で

自分のペースで練習。

別に何も気にしなかった。


ジョギングが終わったら、

みんなと一緒に練習をするから。

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