第44話 S級美女の決意!(沙羅)&告知
なんとなく予感がしました。
きっと赤崎さんが、あの方なのではないかと。
今まで眼をそらしてきた事実。見てこないようにしていた事実。
私は告白を決意しました。
噂が蔓延すれば、向こうから歩みよってくれるなんて思っていましたが、そんなのは甘えでしかないと気づきました。
だからこそ、私は赤崎さんが本当に運命のあの方なのか。
その決定的な確信を得るためにもお付き合いを提案することにしたんです。
勿論、フラれることも頭によぎりましたが私には余裕はありません。
結奈さんや凛さんに先を越されてしまうかも、といった可能性があるからです。
私は負けたくないんです。
凛さんは私たちが恋している相手が別々だと口ではこぼしてますが、それは凛さんも心のどこかで分かってるでしょうが……そんなわけがないんです。
私たちが恋した相手は……同一人物に違いないんです。
だからこそ、私は前進することにしました。
私の告白にドギマギしながらも、赤崎さんは口を開きます。
どこか作った様な声で。
「……急にどうして?」
「私、赤崎さんが気になってしまってるんです」
私の言葉を受けると、赤崎さんはどこか唸りながら悩んだ表情を浮かべます。
「……少し考えさせてもらっていいか?」
「は、はいっ!」
フィルターがかかってしまっているのかもしれませんが、彼のことがその方にしか見えなくなってしまい顔が思わず紅潮してしまいます。
どこかそっぽを向いて俯く彼を私は照れ屋さんだと思い、くすっと笑みが零れてしまいました。
彼はぎこちない動きながらも、その場を後にしていきました。
さて、返事……どうなるでしょうか。
♦♢♦
晴也は焦っていた。
しかし、同時にチャンスかもしれない、とも考えていた。
ピンチはチャンス。
つまり、今の自分の振舞い次第で彼女を幻滅させることができるのである。
もちろん、あえて嫌われたりせずとも自然と振舞えば幻滅させるに違いないのだ。
なぜなら、晴也は自分のことをそこまで出来た男だと思っていないからである。
「それにしても、付き合うかぁ……」
せめて、自分にゆとりが出来てからだなと判断し晴也はため息をつく。
沙羅だけではなく、結奈と凛……他のS級美女達のことも視野にいれなければならないのだ。
『逃がさないから』
『逃がしません』
『逃がさない♡』
晴也はそんな先の未来を想像するとぞっとすると共にこの事態をどうにかしないと、と思わされたのであった。
♦♢♦
結奈と凛、この二人は一方そのころ―――。
「「私達も動かないとね」」
各々がそれぞれ、思惑を抱えていた。
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【あとがき&告知】
大変お待たせいたしました。
いつもお世話になっております、脇岡こなつです。
この度、存じ上げてる方もいらっしゃるかと思いますが………
『なぜかS級美女達の話題に俺があがる件』が角川スニーカー文庫様より6月1日に発売されることになりました!!
ここまで来れたのはいつも応援してくださる読者の方々のおかげです。
書籍版はこのカクヨム版とは全く異なった話運びとなっておりますので、書籍の方では初見の感覚で楽しめるかと思います!
また、書籍化作業の中で、書籍版の内容がWEB版と全く異なることとなった経緯もありまして、こちらの更新が難しくなっていました。
同じ作品の中に二つの世界線が存在している感じですので。
これは不慣れな私の実力不足です。
これからゆっくりとではありますが、頑張って参りますので何卒よろしくお願いいたします。
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