第2話 薬剤師インターハイは勝手にやってて欲しい

【日記部分】


 今日は忙しい→分かる。

 なので昼休みとれない→まあ分かる。

 それでわからないところ質問も充分にできないのに早くやれとせっつかれたり説明もなしに業務をぶん投げられる→そうか死ね。

 というのが今日でした。

 職場選び失敗しましたね。もっとネタはあるんですがおもしろいので第三話にまわしましょう。

 僕、趣味でTRPGやってて身内でやたら複雑だったりデータ処理むずかしいゲームをよくやるんですよ。ふざけてTRPGインターハイなんていうんですが。それってやってる側は面白いけど知らない側からしたら何言ってるかわからないんですよね。公式から降りた最低を論拠に異常挙動するキャラクターデータをぶんまわしたり、過激な表現や思想のシナリオをあくまで遊びとして回したり、正義の味方をやるゲームで突然脚本虚淵玄先生(初期)的なやべえヒロインにPC1やってもらったり。何言ってるんだろうなこいつ。

 まあそういうことなんですよね。何言ってんだろうなこいつというのが最近の上司への思いです。今までの薬局と環境違いすぎて「急性期の病院に就職しちゃったかな……」って首を傾げてます。

 さて、それはそれとして勉強は好きなのでやっていきましょう。本は人間と違って分かる言語で書いてある!


【勉強部分】


 最近、大きな病院だと処方箋に検査値がついていることが多いですよね。

 その検査値って薬局の薬剤師には貴重な情報なんです。

 なのでその検査値について勉強したことを纏めていこうと思います。

 学生時代も就職してからもやる気を出すたびに病気とかクソみたいな上層部とかでやる気おられてもう薬学やる気にならねえ男のまとめだからあんまり信用するなよ!


Alb→肝臓で作られるタンパク質です。僕が悪性リンパ腫の時は原発巣がめずらしい肝臓あたりのリンパ節だったのでこの数値も低くなってたそうです。3.9g/dl以上が正常値。肝臓が行かれていると低くなります。

AST→心臓の筋肉や肝臓に含まれており、ここが破壊されると高くなります。実際は肝臓の数値として見ることが多いですね。男女で少しちがうのですがおおむね40IU/L以下なら問題ないです。肝障害の時はALTの方が高くなります。僕が悪性リンパ腫の時は1000だか3000だかを越えてました。よく生きてたね。生きて行くのが辛いので無から金が湧いてほしい。

ALT→心臓、骨格筋、肝臓に存在するASTとは異なり、このALTは肝臓にのみ含まれています。こちらも40IU/L越えてなきゃ大丈夫。というか100くらいなら「飲み過ぎだねえ」「食べ過ぎだねえ」で済むらしいです。

T-Bil→総ビリルビン、古くなった赤血球を廃棄する時に出る色素で、本来血中に出るものじゃないです。普段は胆汁に出て大便の色をつけてるのですが、胆のう・胆道や肝臓に異常が有るとうまく排出できずに血中でこの色素が回ります。顔とか目とか真っ黄色になります。僕も悪性リンパ腫の時には目が真っ黄色になりました。0.2~1.2mg/dLまでが基準値。

γ-GTP→ガンなどで胆道が詰まると上がる他、アル中になってもあがります。男女で結構基準値が違って、男性なら50IU/L、女性なら30IU/L。胆道から分泌されるので、つながっている膵臓の病気が原因だったりするとか。

CPK→心筋の酵素です。基準値としては男性なら250単位IU/L、女性なら200単位/Lくらいらしいです。激しい運動でも上がるから1000いかないなら直前に走りでもしたのかなって思っておきます。

Na→血液の水分の多寡をチェックできちゃうみたいです。基準値135~148mEq/l。患者さんに虚無の「夏場で暑くなるのでお水飲んでくださいね」しなくていいですね。今この数値がこれくらいだから水はかなりとれてそうor取れてない可能性があるので水飲んだり飲まなかったりしてくださいっていえます。

K→高くても低くてもヤバいヤバいやつ。ナトリウムに比べて本来細胞内にあるべきイオン。僕も抗がん剤で細胞殺しまくってた頃は壊れた細胞からぶち上がって死にかけました。これが数値ヤバい時は薬局来てる場合じゃないのであんまり見ることは少ないんじゃないかなあと思ってます。カリウム製剤が効きすぎてる時くらいな気がします。

Ca→副甲状腺が活性化しすぎていて骨からカルシウムが出てる、カルシウムをとりすぎた、ビタミンDを取りすぎた、ガン。で上がっちゃいます。僕が悪性リンパ腫の時は当然上がりました。これ何度目でしょうね。骨の病気や運動不足もあります。どちらも骨のカルシウムが放出されるそうです。やっぱ自分が死んでないのが不思議だな……。低くなる時は膵炎や副甲状腺の不調、マグネシウム濃度の低下などがあるみたいですね。単純にカルシウム不足ってこともあるので小魚食べよう。8.8~10.4mg/dlが基準値。

Mg→高くなると筋力低下、低血圧、呼吸障害。1.8~2.6mg/dL。低くなると同時に低カリウム血症や低カルシウム血症を起こし、眠くなったり震えたり脈がおかしくなったりします。低カリウム、低カルシウムでも、マグネシウムが下がっている場合はマグネシウムの補充からですね。

HbA1c→血中で酸素を運ぶヘモグロビンに糖分がくっついたものの割合です。薬局でお話しがちですね。これが高いというのは酸素の運搬が上手くいかず、身体機能や神経なんかにダメージを与えてしまいます。なのでたまにタイムラインで流れてくる他の方のHbA1cを聞いて戦慄することになります。高い人、案外多いんだよね。おおむね6の間は良いんですが、7まで行くとヤバい。そして高齢者の場合は下げすぎて無理に6台まで落とすと低血糖などが起きて予後が悪い。Tokyo studyって言うらしいですよ。


腎臓系

sCre→血清クレアチニン。エネルギー代謝の産物であるクレアチニンが、血の中にどれくらい残っているか。腎臓の機能がどれほどあるかの指標です。男性は筋肉が多いので少し高く(0.7~1.3mg/dl)なり、女性は低く(0.5~1.0mg/dl)なります。この数値が高いほど腎臓機能落ちてることになるのですが

eGFR→こちら、年齢やらなにやらで計算したこちらの数値が大事になってきます。お薬もこちらで調節します。この数値ならお薬どれ位減らす?って聞かれても困る。いちいち覚えてたらもっと別の人生があると思います。


血球系

WBC→ワールドベースボールクラシック! じゃないです白血球です。悪性リンパ腫ではめちゃくちゃ上下しました。この数値を見る度に気分が悪くなります。そういう意味でも薬剤師の仕事もうしたくないですからね。成人から新生児まででかなり差が出る数値です。成人は4000~9000個/μLです。白血球、免疫にかかわっているのでこの数字が不味糸切は本当に不味い。薬局だと免疫抑制剤とか抗がん剤の通院治療をする人が多いですね。

Neut→好中球です。細菌感染の指標で、割合で表記します。他の血球との兼ね合いがあって、他にもウイルスやアレルギーで増えたり減ったりする血球があるんですよ。40~69%が正常の範囲です。

Hb→ヘモグロビン。高い場合は水分不足が疑われます。赤血球を作りすぎている可能性もあるのですが、レアなパターンなのでまずは脱水気味なのを疑う方が手堅いです。

Plt→血小板数。13.8万~30.9万/μLが正常。これも減って大変でした。ちょっとした出血がすぐアザになる。


凝固系

PT-INR→ワルファリンで使うやつ! 日本人は1.6~2.5くらいがいいそうです。このあたり幅があるのは脳外科と循環器科で意見が割れたんですって。あんまりさらさらさせると脳出血起きるだろって意見と血栓できるだろって意見がバトルしたとかしないとか。


【今日の分おしまい】


 薬学の勉強、一年病気で死にかけると結構忘れちゃいますし、病気で死にかけてもその分なにか素敵なものが得られるわけでもありません。

 この記事を書く間にやれたはずの原稿が止まってしまいました。僕の持つ才能を考えればまあまあクソみてえな無の時間と言っていいでしょう。こんなものよりもまたそのうち出る僕の別の作品を読んでください。愚痴を読みたい人は……まあ勉強で愚痴を言う権利を確保している節があるので……良いぜ! 物好きさんめ! それじゃあまた次回。

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