第7話 配信をしよう
改めて、自分の事、この世界の事を整理しておこう。
名前は、前世と同じ祖師谷蒼。
年齢は、あっちの世界より三才若い15。
そして、見た目は異常なほど整っている。
家族構成は、母親の麻衣、妹の梨美、そして僕。
この世界は、男性が極端に少なく優遇措置が図られている。そして、この世界の女子は性欲が高く、男性と会えないことのほうが多い。会えたとしても冷たくされるのである。そして、胸や尻が大きいことが好まれておらず、逆に卑下されているってことくらいか。
「本当に、この世界男性にとってイージーゲームすぎないか?」
まぁ、少し外を歩くと、すれ違った人が血走った目でこっちを凝視してくるけれど手は出されてないし。
それでも、多分この世界の男性にとってはすごい怖くてストレスがたまるんだろうけれど。
「何かしたいな」
ここ数日、梨美と母さんとイチャイチャしているだけで一日が終わっていく。
僕が外に出ようとするだけで泣きながら止めようとしてくるものだからこっそりと時間を選んで外出するしかないので少ししかそとに出られないし。
母さんに買ってもらったスマホで動画をみて時間をつぶす。
..............あ、そうだ!
いいこと思いついた。
僕は、ネットの通販でポチポチっと機材をそろえていく。
母さんから支給されるバカみたいな金額のお小遣いを消費してなんとか買いそろえることができた。
動画配信サイトを見てみるとほとんどが女性の人で男性は一握り。本当に少ないし、見ていてあまり面白くない。お金を女性からせびっているだけで自分からは何も提供しないし。
「僕だったら、ちゃんと向き合うのに」
少しだけ、前世でもやっていた配信活動。
伸び悩んでやめてしまったけれど、今世なら、大物になれるかもしれない。
「女性の方々に、笑顔を届けたい」
頑張っているのに、男性から非難を受けるこの世界は少し歪だ。だから、そんな日々の助けに成ればいいな。
それから、数日後、配信の機材が届きセットを完了させる。
「おにーちゃん、何してるの?」
「え、あー、」
「どうしたの、その機材。っていうかなにそれ?」
「えーっとそのー..............配信のための機材?」
「お兄ちゃん、配信なんてするの!?ダメ、ぜったい。変な人が邪な目でお兄ちゃんを見るんだもん」
梨美のことも大事だけれど、配信したいしな。
「..............マスクつけるならいい?」
「..............やだ。お兄ちゃんの声が他の人の耳に入るだけで嫌だもん」
「えぇ..............」
梨美ってもしかしてヤンデレだろうか。
「..............ごめんね、お兄ちゃん。わがまま言ってるのは解ってるけれど他の女の人にとられるんじゃないかって不安なの」
「梨美..............」
不安げな顔でこちらを伺ってくる梨美。
僕はぎゅっと抱きしめる。
「大丈夫、僕は梨美の事が大事だから絶対に疎かになんてしない」
「..............分かった。約束だよ?」
「うん」
「ちゃんとマスクつけて、配信してね」
「分かった」
梨美の説得は終わったし、あとは、母さんか。
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