第2話 真っ白な天井。

「..............ここは?」


 起きると、真っ白な天井だった。


 ..............そうだ、僕は、死んで別の世界に..............。


「祖師谷蒼さん。入りますよー」

「はい」

「..............え?祖師谷さん!?先生、祖師谷さんが目をさましましたー!」


 僕が起きたことを確認した看護師が急いでどこかにむかっていく。


 数分経ち


「祖師谷君。どこも痛いところはない?」

「はい、今のところは大丈夫ですけれど」

「あの..............怒らないで欲しいんだが、診察してもいいかな?」

「?いいに決まってるじゃないですか?どうしてダメなんですか?」

「..............へ?さ、触られるんだよ?」

「..............?はい。というか、その、先生美人だから僕が緊張するというか」

「び、美人!?わ、私が!?」


 何を言ってるんだろう、この人は。


 ..............あ、もしかして、これが男子が極端に少ない弊害みたいなもの?


「び、美人だなんて、そんな。女性を揶揄うと痛い目みちゃうよ?蒼君」


 照れながら、こっちを見てくる先生。


「わ、私は?」


 そういったのは看護師さんでこちらの人も


「美人ですね、綺麗だと思います」

「へ?や、やった!初めて男性に綺麗って言われた!」


 喜びを隠しきれないのか顏が大変なことになっている看護師さん。

  

 ..............っていうか、この世界異常に美人が多いような。


「そ、それじゃ診察しちゃうね」

「お願いします」


 先生は、僕の体に恐る恐る触り..............


「ほ、本当に..............」


 僕が嫌な顔一つせず、診察を受け終わると涙を流して


「いつもは、嫌な顔されたり罵倒を浴びたりしてたのに」

「そうなんですか?つらいですね、大丈夫ですか?」

「うぅ..............蒼君」


 そう言って、涙を流しながら僕に抱き着いてくる先生。


「あ、何どさくさに紛れて抱き着いてるんですか。ぜんっぜん、泣いてないし。にやついてるし!ずるい!!蒼くん。私も抱きしめていいかな?」

「い、いいですけれど」


 そう言って、後ろから抱きしめてくる。


 美人に抱きしめていいと聞かれてノーと断れるのは多分、超絶なイケメンくらいだろうな。


「えへへ、えへ、初めて男性の事抱きしめてる!あったかくて、いいにおいがしゅる。蒼君とってもイケメンさんだし」

「むふ、えへへ。本当に、こんな男性がいるだなんて、ここは夢なんだろうか?」


 ..............僕がイケメン?


 頑張って評価しても中の上の僕が?


 そう思って、窓に反射しているぼくの顔を見ると恐ろしいほどまでに整った顔があった。


..............は?


 そして、前世の僕より何歳か若いような気がする。

  

 なんで、本当にこっちの世界の僕はこっちの世界を捨てたんだろう。


「蒼ちゃん!」


 と、そのとき蹴破らんばかりに開けられ入ってきたのはものすごい美人の人だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る