【閑話】BL side宰相子息アレク
僕の名前はアレク。
ガイル王国宰相子息というサラブレッドだ。それなのに、この間の婚約破棄騒動の余波を受け、帝国学院へ半ば都落ちのような憂き目にあってしまった。
すべて王太子フューネルのせいだ。あいつが協力してくれと頼んできたから、エロ釣り目に罪を被せて婚約破棄と王都追放までをお膳立てしてやったのに・・・・。
婚約破棄後に僕は梯子を外された。
おまけにエロ釣り目には僕が同性愛者であることを暴露された。でもゲイであることは周知の事実だったので、ノーダメージだ。
ナヨチンバカのフューネルに復讐してやる。
そのためにも、帝国学院で新しいホモ達の輪を作ったのだ。
♦
「今日は私とヤラないか?」
「ツヴェルフか、いいよ学院が終わったら帝国式サウナ『テッカバ』で会おう。」
今日は12軍将の1人、ツヴェルフがお相手だな。僕は好き嫌いはぜずなんでもおいしく頂くグルメだからな。食わず嫌いもない。
「やあ来たね、私のネコちゃん。さっそくヤルか、それともひと汗かくかな?」
「まずは帝国式サウナを楽しもう。その後、汗だくの状態で君と愛し合うのというのはどうだい、黒パン君。」
ツヴェルフは黒パン君だ。食べた時の一口目は硬いが、噛めば噛むほど味が出てくるタチだ。他にもプヨプヨして軟らかい白パン君やガチムチのブロック肉君や外はカリっとしていて中身はジューシーなフランクフルト君もいる。
僕はウケ専だからね、逆ハーならぬ逆ホー状態が好きなんだよ。いろんなモノを栄養バランスよく摂取するのが僕のスタイルさ。
「全身汗だくだな。このまま抱き合って汗を混ざり合わせたいな、ネコのアレク。」
「いいね。後ろから優しく抱き絞めてくれないか、黒パン君。」
ビチャ。
ビチャッ。
「もう我慢が出来ないよ、アレク。」
「いいよ、黒パンのツヴェルフ。」
「アーーーーッ。」
「アーーーーッ。」
「いい汗の匂いだ。さあ、僕が全身くまなく泡まみれにしてあげるよ。」
「そうしてもらおうかアレク。」
さて、愛し合ったことだし、とろける全身マッサージをした後で僕のお願いを聞いてもらおう。今回の駒はツヴェルフだ。魔法特化タイプのフューネルには、スピード重視で爆剣のツヴェルフの二つ名を持つ黒パン君は相手にもなるまい。
「ツヴェルフ、僕から君にお願いがあるのだが、聞いてもらえるかい?」
「なんだい、可愛いネコちゃんのお願いならなんでもOKさ。言ってごらん。」
「ガイル王国の王太子フューネルを処分してほしいんだよ。」
「12軍将である私には不可能はないよ。ただし、ガイル王国への潜入方法とターゲットの居場所が分かればの話だけどね。」
「そこは問題ないよ。ガイル王国には僕のホモ達のモホー子爵とゲイル男爵がいるから、2人に手引きをお願いしてあるんだ。手下も20名程貸してもらえる手筈だ。」
「ガイル王国には素敵なイケオジのホモ達が2人もいるんだね。妬けてしまうよ。」
「フューネルの後にその2人も処分しても構わないよ。」
「その仕事受けよう。王太子をヤレば私の軍内での影響力も上がるからね。」
これであのナヨチンバカの王太子も終わりだな。
僕を裏切ったことを後悔しながら死んでイキなよ。
♦
「ツヴェルフの奴、あそこまでお膳立てしてやったのにしくじるとは何だ!」
ツヴェルフが相打ちのような形で夢魔の呪いを王太子に掛けたまでは、僕の計画通りに進んでいたんだよ。なのにどうしてだ!フューネルと婚約破棄したあのエロ釣り目のレイアーズがどうして王都に来て解呪するんだ。
ブツブツ。
「父上の情報では、あの魔法しか使えないフューネルがどうして剣士になっている?魔力操作が苦手だったレイアーズがどうして聖魔法を使える?2か月前との状況が違い過ぎる。」
我ながら独り言が多いな。
他にも王都東地区の再開発を王太子自らが全権者となり、精力的に動いているなんてどこの誰の話だ。あの美しい物にしか興味を示さないフューネルが王都民のために働くなんてありえない。
分かったぞ!
以前の情報にもあった高級娼婦に熱を上げ過ぎて操られているな。つくづくバカな奴だ、アンナの次は高級娼婦か。
「そんなに声を荒げてどうしんだい、子ネコちゃ~ん。」
「ああ、白パン君すまない。起こしてしまったようだね。」
「落ち着いて一緒にいい夢を見ましょ~う。」
フホホホ、待ってろよフユーネル。
ぼくのホモ達ネットワークは王国にも帝国にもまだまだ健在だ。2のタチ、3のタチとまだまだ続けてやる。枕を高くして眠れると思うなよ。
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