守護霊

健さん

第1話

俺の名は、小泉純一。40歳。女房は悦子38歳。そして小学校5年生で11歳の娘の明日香。今回夏休みに長野県の軽井沢の某キャンプ場に行く。一緒に行くのは明日香の友達の静子ちゃんと、家族。両親の他に2歳下のたかし君という弟がいる。静子ちゃんの両親とは、もう、何年も前から、家族同士の交際、交流は、している。その他に、俺の妹の子供である浩之というが、つまり、甥だが、静子ちゃんの弟のたかし君と同い年も来る。今日は木曜日。行くのは明後日の土曜日だが、俺は、女房、娘には内緒で先に一人でそのキャンプ場へ行った。下見?それもあるが、実はもう一つの目的として、大きな落とし穴を掘って誰か落ちるところを動画に撮ってユーチューブに投稿しようと思っている。それで、一人で大きな落とし穴を掘ろうと思い来たのだ。本来なら、シャベルカーでも使って掘りたいのだが、だいち、大ごとになってしまい、許可も必要(許可でるのかな?)だし、レンタルするにしても、金がかかるから、現実的ではない。一人で、”密かに”やるしかない。3メートル程の穴を掘るのに約3時間近くかかった。(あー、疲れた。)そして、何にもなかったように家に戻った。そして、当日。静子ちゃん家族と共に長野県軽井沢のキャンプ場へ。それぞれの場所でテントを張って一緒に夕食の準備をした。子供たちは近くの川で水遊びをしている。そうこうしているうちにだいたい夕食の準備は出来た。夕飯には、まだ少し早いので、俺は提案した。「みんなで、軽い運動で、かくれんぼしようよ。」一人で頑張って掘った落とし穴に落ちるのを、ビデオカメラに撮るのが目的だ。しかし、ものの見事に覆されてしまった。静子ちゃんのお父さんが言う。「こんなところで、かくれんぼは、やめましょうよ。山のなかで、斜面も急だし危ないですよ。すぐに暗くなるだろうし。それよりも、いいもの持ってきましたからそれをやりましょうよ。大型のリモコンヘリコプターです。4台持ってきたので、みんなで飛ばしましょうよ。」子供たちは、大はしゃぎだ。(えー!嘘でしょう?どうしてこうなるの?欽ちゃん!せっかく苦労して一人で3メートルの落とし穴掘ったのに。トホホ。)俺は、少し不貞腐れながら、そのヘリコプター飛ばしていたが、やってるうちに、夢中になってしまった。(いや~こっちのが、面白いじゃん)すっかり、落とし穴のことなど忘れていた。一時間くらい遊んだだろうか。やがて、日も落ちてあたりも暗くなり夕飯にしようということになった。あれ?明日香は?「明日香がいないじゃないか。」「今まで一緒にいたのに。」と、心配そうな静子ちゃん。みんなで、あたりを探したが、益々暗くなり、時間だけが、過ぎていった。夕飯どころじゃないぞ!もう、こうなったら、警察に通報するしかないな。俺は、早速通報して、来てもらったが、今夜は、もう暗くて捜索できないので、明日早くから、自衛隊にも協力してもらい捜索することとなった。やはり”町”と違い、山奥となると、電柱もないこともあるが、暗さが、濃いというか、本当に真っ暗闇である。朝を待つしかないが、到底今夜は”ぐっすり”眠ることなんてできそうもない。これじゃあ、まるで、山梨県の道志村のキャンプ場で行方不明になった事件と同じじゃないか!色々考えてるうちに、眠ったようだ。そして夢を見た。「俺は、お前の守護霊様だ。娘の声を聞かせるぞよ。」と言うと、明日香の声が。「パパ、助けて!真っ暗でよく見えないし、土に覆われて、息が苦しいよ~!」俺は、寝汗をかいて、目が覚めた。何だ、夢か?ん?待てよ。そうゆうことか。守護霊様が教えてくれたんだ。もうあたりは明るくなっており、警察の捜索前に、自分で掘った落とし穴に行き、やはり。俺は掘り起こし明日香を救出した。「明日香!!」「パパー!!」俺は、抱きかかえ泣いた。無事でよかった。くそ!、誰だ、こんなところに落とし穴掘ったヤツは!?すると、後方のほうから、「お前だろう!」と、声が聞こえたような気がした。

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守護霊 健さん @87s321n

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