電話 2

「もしもし」と俺は応じた。念のため補足しておくと、"電話"と言っても画面に相手の顔が映されているのが今では普通となっている。俺が生まれる前からそういうアプリはあったらしい。だが、一般的かと言われるとそうではなかっただろう。そこに訪れた1つ目の転機は、感染症の流行だろう。生まれる2年前の2020年に、COVID19という新型のウイルスが大流行し、人との面会が厳しく制限されたらしい。そこで活躍したのが例の機能というわけだ。だが、今でも"もしもし"と言う習慣は残っている。不思議なことだ。


話を戻そう。

「任命された。」と彼は言った。これはさほど驚くべきことではない。衝撃だったのは、その次の一言だった。

「お前もいっしょだけど。」

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