5がつ 30にち 「りんご」

 五月三十日 晴れ 暖かかった


 さて、今日で日記が一週間になります。かつてこれほどまで日記を続けられたことがあったでしょうか。ひとに見てもらえるかも知れない、という承認への渇望はたいへんに大きな力になるのだと身をもって実感しています。読んでくださった方から反応があるというのもモチベーションになっています。ありがとうございます。

 ただ、当然と言うべきか、茶々瀬の本性、みたいなものは書けていない感覚がつきまといます。取り繕って、見栄えを気にして、飾り立てている。この日記は、茶々瀬が茶々瀬というキャラクターを描いている創作物でしかありません。それを気に入ってもらえたからって、茶々瀬を気に入ってくれているわけではない。それを勘違いしないようにしたいです。


 今日の朝は、なんだかとっても静かでした。鳥があんまり鳴いていませんでした。車もあんまり走っていませんでした。ムクドリが電線の上でひとりぴよぴよ鳴いていました。空の高いところまで届いている気がしました。


 お仕事に行く途中で、たくさん小学生が歩いているのを見ました。楽しそうに登校しています。いろんな色のランドセルがあって面白かったです。キャラメル色がおしゃれだなと思いました。


 お仕事では、お昼休みの食堂に並びました。前に並んでいる、違う部署の男の人と女の人が、仲よさそうにお話していました。お話のせいで、なかなか前に進んでくれませんでした。いらいらしました。でも、羨ましいだけかも知れません。でも、じょーしき外れだと思いました。話してもいいので、前を見てほしいです。


 あと、後輩に指導する時間がありました。茶々瀬の初めての後輩です。でもずっと年上です。ちょっと残念です。いいこと言いたいけど、茶々瀬はバカなのであんまりかっこいいことが言えません。残念です。


 帰り道で、ちっちゃい柿を拾いました。まだ熟していない、緑色の柿です。指でつまめちゃうくらいちっちゃいです。ヘタのほうが大きいです。匂いを嗅いだら、青臭いのと、ちょっと柿の匂いがしました。興味があったので、かじってみました。草の味しかしませんでした。


 あと、食べかけのリンゴを見つけました。歯形がついて、半分なくなっている、丸いリンゴです。でも、中身の部分が真っ黒になっていました。よく見たら、黒いのは全部ちっちゃいアリでした。たくさん、たくさん集まって、ぞわぞわ動いていました。リンゴが美味しいんだなって思いました。


 おうちに帰ってから、野菜スープを作りました。キャベツとタマネギとニンジンとエノキとトリニクで作りました。これから食べます。楽しみです。大きな鍋で作ったので、いっぱい食べます。


 おやすみなさい。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る