第7話 料理チーム

「宮森さん手際がいいんだね。」

「ありがとう。」

料理チームはというと、野外学習では定番のカレーを作っているようだ。

彼女は十和に褒められ嬉しかったのか頬を赤らめている。


「あとは煮込むだけだね。」

「うん。」

それぞれが切った具材を鍋に移していると、彼女の手が沸騰した鍋に触れてしまう。


「宮森さん大丈夫?すぐ冷やさないと。」

「ご、ごめん!」

「僕が鍋を見てるから、少しの間手を冷やしていて。」

花凜が痛みで声を上げると同時に、彼は彼女の腕を掴み患部を流水で冷やす。

そしてすぐ鍋の前に戻ると、相手にもう少し安静にするよう伝えた。


「2人とも〜!隣の班の砥狩とがりくんに教えてもらったらご飯上手く炊けたよ!」

「おかえり、美月くん。それは良かったね。」

そこへ別の場所で飯盒炊爨はんごうすいさんをしていた郁利が戻ってきたようだ。

飯盒からは白い炊煙が立ちのぼっている。


「カレーももう少しで完成だよ。」

「はーい!じゃあ僕はご飯よそっちゃうね!」

十和が鍋をかき混ぜながら2人へ伝えると、彼はそれぞれの器を用意してご飯をよそう。


「そしたら私は洗い物片付けちゃうね。」

「手はもう大丈夫?」

「うん、ありがとう那雪くん。」

花凜もなにかできることはないかと思い後片付けを申し出て、利用した調理器具を綺麗に洗っていく。彼女の片付けが終わる頃にはカレーも出来上がったようだ。


「はい、これで完成だね。」

「わーい!美味しそう!!」

十和がルーを盛り付け終えると、郁利は目を輝かせて喜んだ。

花凜もそんな彼の様子に思わず笑みが溢れる。


「あ、もう山から戻ってきている子達もいるみたいだね。」

「ほんとだ!結愛達も早く帰って来ないかな〜!」

3人が話をしているうちに、山へ行った生徒達は次々と下山してきているようだ。


「全員揃った班から飯にしろー!」

教師は大半の人数が山から帰ってきたのを確認するなり、そう告げる。

十和達も全員揃うまではと、山へ向かった3人を待つ。

しかしすぐには戻っては来なかった。

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