天（あま）翔（か）ける三下（さんした）は始終そうしているのです

まあそれは見物（みもの）という評判が貧血に倒れ

色見本（いろみほん）がほんのりと頬（ほお）を赤らめているので

さも不吉な序の口が出回る運びとあいなる

えっちらおっちらと執拗（しつよう）に取り憑（つ）かれながら

朝帰りの何処（どこ）ともなしに後ろ髪ひかれて夢現（ゆめうつつ）

夜桜にはどこ吹く風ねと薄ら笑みたたえつつ

死にかけの猫に蹴りいれる当て推量（ずいりょう）噛み拉（しだ）き

訳もなく生まれた畜生（ちくしょう）めがと手を打ち鳴らし

拍手喝采（はくしゅかっさい）を前頭葉の片隅にかんじながら

小脳の根方（ねがた）で絵空事などを諳（そら）んじまして

ふと風流に誘（さそ）われ梅の木で首を吊る私

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい