10話 クラブカーストバトルシステム

俺は山翔海高校に進学することを決めた。


山翔海高校はどんな高校なのだろうか……

建物とか……練習場所とか……

どんな感じなんだろうな……


一色は期待を膨らませ、新幹線で小山にある山翔海高校に向かっていった。


ちなみに、交通費は自腹ではなく、山翔海側が支払ってくれるとのこと。


小山駅に着くと、山口先生が出迎えてくれた。


そして、山口先生の車に乗り、山翔海高校へと向かった。


「栃木県に来てみてどう?」

「なんか……栃木県に行くのって初めてなので、色々とワクワクしますね……」

「ははは!!わかるわかる!!」

とたわいない会話が続く。


栃木県は……コミケや神宮大会といったイベント、大会に行くために、栃木県を通過することはあっても、栃木県で降りることはなかった。

つまり、栃木県に足を踏み入れるのは、今日が初めてなのである。


「さて……着いたぞ」

と山口先生が言うと、車を駐車させ、一色は車から降りる。


そこから、一色と山口先生は歩き、様々な施設や建物を回りながら、山口先生から施設とか建物とか……色々と説明を受けた。


山翔海高等学校に来てみたけど……

マジで広い。めっっちゃ広いな。

まるでひとつの街のようだった……


まずは練習環境なのだが……

硬式野球、軟式野球、女子硬式野球に

専用の野球用グラウンドがある。

す、すごいなこれ……

しかも綺麗に整備されている……


男女サッカー部、男女ラクビー用が

同じ時間帯に練習、試合できるほどの広さを誇る天然芝グラウンドがある。


陸上競技場も建てられており、綺麗に整備されている。


グラウンドだけではない。

テニスコートは何面も設置されているし、

武道館、プールも広かった。

体育館は広いかつ、2つ存在する。

第1体育館、第2体育館……と。

バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、卓球、バドミントン……何不自由なく練習できそうな体育館だ……


練習環境、めっちゃ整ってるなぁ……


スポーツ施設だけが豪華なわけではなかった。


校舎内も、食堂も、寮施設も、

全てが広くて建物がデカくて綺麗。


こんなとこに住んだんのかよ。

一色は寮がある場所を訪れる。もう苦笑いするしかなかった。

まるでマンションだ。そのマンションレベルの寮がいくつも建っている。


校舎、寮、食堂だけではない。


この学校には、

映画館、カフェ、スポーツジム、温泉、

ショッピングモール、ゲームセンター、

レジャー施設と様々な施設が揃っていた。


ははは。もうすげーな。この学校。

どっから出てるんだよこの金。


マンモス校が可愛く見えるな。

レベルが違いすぎる。


そんな学校が……学費タダ……


すげーな。どっから金が出てるんだろ……


こうして、山口先生に案内された形で

学校見学をひと通り終えた。


山口先生が職員室に寄ると言って、一色の元を去っていった。


少し時間がかかるので、施設内を1人で探索しておいていいとのこと。

しかし、どっか探索する場合は事前に連絡しておくようにと指示。


一色は辺りを見渡す。


やはり広いな……この学校……


と一色が思っていると、

とある施設に目が行く。


そういや、この施設って何だろう。


黒い建物で……そこそこ大きいこの建物……


この建物の前に、山口先生が連れてきたけど……


中、入ってみようかな……


一色は好奇心に勝てなかったのか、黒い建物に入って、少し探索してみることにした。


山口先生には

「黒い建物?らしき場所の中を探索してきます」

とメッセージを送った。


黒い建物の中を歩く。

どんな施設なのだろうか……


一色がしばらく歩いていると、

「ドオオオオオオオオン!!」

と大きな爆発音がした。


一色はびっくりした。

立て続けに

「ドオオオオン!!」「ドオオオオン!!」

と爆発音が鳴り響く。


「な、何だ何だ!!」

と爆発音が聞こえた方向へと走っていく。


警察呼んだ方がいいかこれ……

一色は最悪の状況も視野に入れていた。


どうやら、爆発音が聞こえたのは

この教室らしい。


未だに爆発音が聞こえてくる。


ドアを開けないと中は見えない。


一色は恐る恐るドアを開ける。


そこで一色は目にしたものとは……



「バーニング!! シュウトオオオオ!!!」


火に包まれたたサッカーボールを勢いよく蹴る少年。


火をまとったサッカーボールは勢いよく壁にぶつかり、サッカーボールは爆発した。


な……なんだこれは……


一色は奇妙な光景に絶句していた。


いやいやいや……なんだこれは……


ボールが火に包まれていたぞ……


バーニングシュートって……何だよ……


もしかして……必殺技? なのか……


いや、何だよこれ。


どういうこと????


超次元サッカーしてんですけど!!



一色は完全に戸惑っていた。隙間からバーニングシュートを蹴った少年を

覗いていると、


「あ!いたいた!一色くん」

と山口が急に声をかけてきてくるもんだから、

「あ!!山口先生!!」

一色は反射的に驚いてしまった。


すると、バーニングシュートを蹴った少年が一色の方をみる。

どうやら一色が驚いて声を出してしまったことで、

覗き見していたことが気づかれ、バレたらしい……


一色は少年と目が合うと、苦笑いするしかなかった。


「どうしたどうした。京次。入口の方なんて見て……」

と、ある少年が、バーニングシュートを蹴った少年に声をかける。


どうやら、バーニングシュートを蹴った少年は京次と言うらしい。上の名前か下の名前かはわからんけど……


「いや、こいつ……誰?と思って……」

「ん?」

と、京次は入口の方を指差すとある少年は不思議そうな顔をして、ドア付近にいる一色を見る。

すると、山口先生が

「彼は一色颯佑くん。明乃森高校からこの学校に転校することになった。硬式野球部に所属予定で、今日は私が学校案内をしていたのよ」

「山口先生!?」

と山口がフォローに入った。京次は山口先生の説明に驚く。続けて、

「え? もしかして、山口先生が言ってた加入する選手って……この人ですか?」

「そうね」

「一色颯佑……どっかで聞いたことが……」

と悩みながら、一色がいる方向に向かって歩く少年。

「あ、わかった!神宮だ。神宮大会の初戦で

完全試合未遂した投手でしょ!一色って……」

とその男は思い出したようだ。

「まぁ、そうだけど……」

「いや〜あの試合なぁ……ガチで勿体無かったなぁ……味方のエラーがなければなぁ……」

とその少年は頭を抱えながら言う。すると、ふと、少年はあることに気づく。

「……ってことは……マジかよ!!神宮大会完全試合未遂投手が加入なのかよ!!」

「そうね。梶谷くんも浮かれていられないわね」

と山口先生は言う。その少年は、一色の加入に驚いていたようだ。


不祥事により甲子園出場が取り消しになったとはいえ、

東北大会を制した強豪、明乃森高校のエース投手。

しかもその投手は神宮大会という大舞台で完全試合未遂。

そんな投手がこの学校に転校。驚かずにはいられなかったようだ。

「……というか、名前言い忘れていたな。すまんすまん」

と驚いていた少年は、気持ちを落ち着かせ、前置きを入れた後、

「俺の名前は1年B2組の梶谷源。硬式野球部で投手やってる。

つまり、これからは同じチームメイトってわけだ。よろしくな!」

「そして、もう聞かされているかもしれないけど、硬式野球部監督の山口先生で、俺の担任の先生でもある。」

梶谷源……どんな投手なんだろうな……楽しみだ。

と、一色はワクワクしていた。

すると、

「というか、明乃森高等学校って……甲子園出場が決まっていたけど、なんか事件起こして辞退することになったとこだよな」

「そうそう。硬式野球部がな。窃盗だっけ? まぁそんなしょーもないことやらしてねぇ……あ!前もって言っておくけど、一色は、明乃森高等学校硬式野球部の事件に関与しなかった3人の部員のうちの1人だからな。つまり、彼はこの事件の加害者ではない。京次、勘違いするなよ」

「わかったわかったって」

と、梶谷が一色をフォローする。

「そういえば……名前を言い忘れていたな。

俺は穂村京次。サッカー部だ。よろしくな」

「あぁ、よろしく」

と穂村は言うと、一色は頷いた。

「まぁ、あの事件……俺的にはかなり失望したよ……こんなしょーもない犯罪を犯して、甲子園おじゃんだなんてな……」

「ほんとだよね……おかげで俺と先輩、マネージャーは甲子園の土を踏めなくなってしまったし……」

「東北大会を制して、神宮大会初戦で完全試合未遂でしょ?いや〜甲子園で観たかったなぁ……被害に遭った人達は大前提として、一色と、もう2人の部員も可哀想だ。」

と梶谷と一色が悲しそうな顔をした後、少し間を開けてから、続けて、

「そういや、一色はなぜこの学校に? 宮城県には東北学園という甲子園常連の強豪校があるじゃん? 俺、東北学園行くと思ったよ……なんで栃木県の……それも作商学院とかの強豪校じゃなくてうちのような中堅高校に……」

「いやいや、山翔海高校も強豪校でしょ。今秋県ベスト4入ってるじゃん。十分強豪校の部類に入るのでは?」

「いや、県ベスト4っつても栃木県でだぜ。神奈川とか、大阪とかならまだしもなぁ……」

と梶谷は頭を抱えながら言う。少し間を開けた後、

「理由ねぇ……小中高宮城県で野球やってたし、視野を広げるためにも、他県の野球を知りたかったとか……学費がタダとか……色々あるけど……やっぱり……山翔海高の硬式野球部に興味があったってのが大きいかな。少数精鋭……少ないメンバーで今年の秋季大会ベスト4でしょ。どんな環境でどんな練習をしてて、どんな選手がいるのか、興味があったんだよ。それが……この学校に転校することを決めた理由」

と一色はにっこりと笑顔になる。

「あとは……作商学院、ここ最近ずっと夏の甲子園に出てるんでしょ。10年近くね。神宮大会にも出場してるし……しかも神宮大会優勝してるし……日本でも屈指の名門校でしょ。で、俺は神宮大会で作商学院に勝つことができなかった。作商学院を倒して甲子園に導くために、この高校を選んだんだ」

「一色……お前……いいやつだな!!」

と梶谷が笑顔になる。

「ま、山口先生が甲子園に行くために必要な選手と、俺を評価してくれたからね。その期待にも応えないとな」

と一色が続けると、さらに

「あとは……何か理由があったっけな……」

と考えた後、一色は理由を思いつき、話始める。


「山翔海高校って学校側のスカウトがないと入学できない高校

というのもあって、山翔海高校ってどんな学校なのか、単純に興味があってね」

と一色がなぜ山翔海高校に入学するのかを決めたのかを言いきった。

梶谷は嬉しそうだった。すると一色はあることを思い出す。

「あ、そういえばさ…… あのバーニングシュートってやつ……あれは一体何だったんだ……」

と一色は苦笑いしながら言及する。

「ああ、あれね……あれはクラブカーストシステムってのが関係しているやつだな。」

「……クラブカーストシステム?どういうこと?」

一色は山口先生の発言に首を傾げる。


山口先生は、クラブカーストバトルシステムについて説明し始めた。

「この学校の生徒たちには、クラブカーストバトルシステム、通称CCBSが支給される。CCBSを使用することで、部活動の内容にちなんだ必殺技が使用できる」

「必殺技?」

一色は理解が追いついていないようだった。

「で、CCBSによって使用した技が、サッカーボールを炎で包み、シュートする「バーニングシュート」ってわけね」

と山口先生の説明が終わる。


うん、意味不明である。

ここまでなのも珍しい。

CCBS?部活動の内容にちなんだ必殺技?意味不明だ……


意味不明ではあるものの、一色はある疑問を持っていた。

「というかさ……なんで、クラブカーストバトルシステムってのがこの学校に存在するんだ? このシステム、なくても別に問題なかろう」


一色は、このクラブカーストバトルシステムの存在意義を見出せないでいた。

クラブカーストバトルシステムがなくても、学校生活には支障がない気がするのだが……


すると、梶谷は、一色に話しかける。

「この学校ってさ、S級からG級あって、生徒たちは該当するランクごとに振り分けられる。そんな制度がある学校じゃん?」

「まぁ……そうだな」

「でさ、どうやってS級からG級に振り分けられるか、知ってる?」

と梶谷が質問してくる。

そういや、階級の振り分けについてパンフレットに載っていなかったような……

「部活動の成績とかじゃないの?やっぱり?」

「まぁ、合ってるんだけど、ちょっと違うんだな。これが」

「え? 何が違うの?」

と梶谷の発言に対して、一色は驚いた表情をする。

「たしかに、部活動での成績も、ランク分けを決める材料のひとつである。しかし、部活動の成績だけで、ランク分けが決まるわけじゃないんだ」


と梶谷が丁寧にランク分けの基準について説明してくれた。


階級の決め方は5つある。5つの成績を総合的に加味して階級が決まる。

1つ目は部活動での成績。これは個人成績、部全体の成績を加味する。

2つ目は学力。部活動だけできていてもダメだ。文武両道。中間テスト、期末テスト、全国模試。様々なテストの成績を加味する。

3つ目は素行。高校生としての自覚を持った行動ができるか、それも加味される。

4つ目が、クラブカーストバトルシステムを使用した大会での成績。

5つ目が、学年総合ランキング、学校総合ランキングによる順位。これは、1から4項目の成績を加味して順位が与えられる。

このランキングも、クラス分けの判断材料になるわけだ。

つまり、上位ランクになるためにも、クラブカーストバトルシステムが重要になってくるのだ。


マジかよ。クラブカーストシステムってランク分けの参考基準になっているのかよ。

山翔海高校、恐ろしい。


「で、クラブカーストバトルシステムを使った大会が1年に何回か開かれるんだ」

「大会?」

「そう、CCBSを使った大会って色々とあるけど……なんと言っても、クラブカーストバトルトーナメントだね」

「クラブカーストバトルトーナメント?」

「CCBSを使った1番大きな大会だよ。8月に開催されるんだよね。

で、その大会の予選が来年の4月と6月に行われるんだよね」

「その大会の予選の練習をしていたってわけだ」

梶谷が説明した後にバーニングシュートを打った少年が言う。

「そうそう。俺たちはクラブカーストバトルトーナメントの予選に向けて練習してたんだよね。今は3月の上旬だし。大会の成績が階級を決める時の選考対象になるからね」

と梶谷は言う。いつの間にか周りには人だかりができていた。


「で、今周りにいる人達が1年B2組のみんなだ」

と梶谷は周りにいる人達を紹介した。

1年B2組か。ってことは今周りにいるのはB級の生徒ってことか……


B級ってことは、生徒の中でもかなり上位にいる人達ってことか……


「そういや、一色くんって何組になったん?」

「いや……そこまではまだ……」

「山口先生! 一色って何組か知ってます?」

「ちょっと待ってね。確認するね。」

と山口先生はタブレットを取り出し、一色のクラスを確認しようとする。


山口先生はタブレットで一色の名前を探していた。

「あ、あった。一色くんは2年G組だ」

山口先生がそう言うと、場が凍りついた。


「え?一色がG組?」

梶谷がなんで?という表情をする。

仮にも明乃森高等学校のエースで、東北大会制覇の立役者であり、神宮大会で完全試合未遂をした一色が、G組?

疑問に思うのも不思議ではない。


「一色くんが前に在学していた明乃森高校。その高校の硬式野球部の部員の大半が犯罪を起こしたからね。一色くんはやっていないんだけど……連帯責任ってやつかな?」

と山口先生が言う。


「G組ってことは……京次と同じクラスか!!」

「え?そうなの?」

と一色は反応した。意外だった。

あんなシュート打てるのにBからG組に降格なのか……

「京次は実力はあるんだけどね〜公式戦でレッドカード貰ったり、暴言吐いたり、監督の指示を無視して独断プレーとか、大分やらかしたからね〜」

「まぁ、そういうことだ」

と穂村は嫌そうな表情をする。

「まぁ、よかったじゃん。一色という知り合いがいるんだし!」

「良くねーよ!! G組の待遇最悪なんだぞ!!」

と穂村は怒る。

「暴言、監督の指示無視、レッドカードって……自業自得じゃないか……」

と一色は呆れる。

「ほら、一色もそう言ってるよ。ってか、一色の方が可哀想だわ。連帯責任でG組だもんな。一色、何も悪いことしてないのに……」

「まぁ、事件の内容が笑えないレベルだったからしゃーないよ……」

と一色は同情する梶谷に対して言う。

そういや、今気づいたけど、なんか周りの目線が可哀想という目をしているのだが、大丈夫なのだろうか。

穂村の反応もそうだけど……これ、もしかしてG組ってかなりヤバいのでは……


「ともかく、頑張れ!2人とも! 仲良くしろよ!!」

梶谷は笑顔で言った。


いや、ほんとこれ大丈夫なのか……


一色は期待しかなかったのが一転、期待と不安が入り混じるようになっていた。



時は経ち、卒業式。


東坂、鈴森、一色は、引退した3年生の硬式野球部員に、花束を渡していた。

前キャプテンの水谷は、東坂、一色、鈴森に今後について聞いていた。


3人はひと通り伝え終わると、


「すまなかった……俺がもっと厳しくしておけば……」

と水谷は責任を感じていた。

「いやいや……悪いのは水谷さんじゃないですよ……」

「そうですよ……水谷さん、顔をあげてください」

と東坂と一色は水谷をフォローするが、


「こんな形で、鈴森さん、東坂の高校野球が終わってしまうかと思うと……

ほんとに申し訳なくて……」

と水谷は申し訳なさそうな表情をするが、同じ3年生の本村が、

「最後なんですから、笑ってお別れしましょうよ」

と水谷に言うと、水谷は本村の言葉が響いたのか、それもそうだな……と思い、

頭を上げた。


「東坂、鈴森、一色……3人とも、頑張れよ」

とエールを送ると、

「もちろんです」

と3人はそう決意した。


時は過ぎて、終業式。


3年生とは……笑って終われたし……


クラスメイトとは、……今日、東坂さんと鈴森さんとで送別会をやる関係でな……


……昨日、送別会をしたな


あとは……東坂さんと鈴森さんとの別れだな……


と一色はグラウンドを見ながら思う。


待ち合わせ時間に近くなった。


硬式野球部の部室に戻るか……

一色はグラウンドを後にして、とぼとぼと歩く。


硬式野球部の部室に戻ると、

「あ、一色がきたか」

と東坂が戻ってくる一色を見て言う。鈴森さんもいる。

これで一応、全員揃ったか。

「どこ行ってたの?」

「グラウンドですね。早く部室に来て暇だったんで……」

「あーなるほどねー」

と、一色の行動に鈴森は納得した表情をする。


「それじゃ、行きますか」

「そうだね!! いこーー!!」

「そういや、送別会ってどこなんですか?」

「そりゃ、ビックボーイよ」

「ビックボーイはいいですね!!」

「何食べようかね」


送別会会場まで歩きながら、そんな楽しい会話が続いていた。


こうして……明乃森高等学校での学校生活に幕を閉じ、


山翔海高等学校での学校生活?が幕を開けようとしていた。






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