第7話 僕に奴隷を買ってくれませんか?
そして次にスキル【回復】なのだが、どんな難病でも毎日かけ続ければこれ以上進行する事もなければスキルのレベルを上げれば完治まであり得るほどの万能スキルなのである。
これがあまり知られていないのはやはり聖女や神官などのスキルが存在するせいであろう。
スキル【聖女】は珍しいのだがそれでも五十年に一人は生まれてくるし、スキル【神官】にいたっては確かに珍しい事は珍しいのだが、そこそこ珍しいという程度であり二百人に一人は神官といったレベルで毎年生まれている。
それはオラが村に一人いるレベルでスキル【神官】持ちはいるのである。
そして、怪我や病になった時はスキル【回復】を持つものよりもスキル【神官】を持つ者へ皆治してもらいに行くのである。
ちなみにスキル【神官】はその者が負っているダメージを回復させる事はできるのだがスキル【回復】とは違って怪我や病そのものを治癒させる事はできない。
しかしながら回復と違いダメージを回復させるという事はその者の体力も回復させるという事で、スキル【神官】を発動した瞬間は楽になるのに対してスキル【回復】は体力は回復しない為、どうしてもスキル【神官】の方が効果があると思われてしまっているのだろう。
ゲームなどではパラメーターを見る事ができるため体力回復にはスキル【神官】を、状態異常にはスキル【回復】をと使い分ける必要があるためヒーラー役はこの二つのスキルを持っている事が最低条件となっている。
そしてスキル【聖女】は両方の効果を持っているのだが効果は半減と痒い所に手が届かないようになっている。
ただ使い勝手はいいのでこの三種類全て覚えているヒーラーは多い。
その事を俺は分かりやすく懇切丁寧にお父様に説明していく。
初めは難色を示していたお父様も俺があまりにも詳しく説明をしていく事により全てを受け入れる訳ではないが、話半分程度には信用しても良いだろうという表情へと変わっていくのが分かる。
ここまで来れば俺の目的は達成したと言っても良いだろう。
そして俺はここで、人生を賭けたお願いをお父様にする。
「しかしながらいきなりたかが三歳の子供である僕の話を全て信用しろというのも無理な話であるという事は理解しております。 ですのでお父様、僕に奴隷を買ってはくれませんか?」
普通に考えて三歳の子供に奴隷を買い与えるというのはあり得ないし、普通の親であれば先ず説教コースだろう。
しかしながら相手は三歳の子供の話を真剣に聞いてくれたお父様なのである。
きっと俺の願いを叶えてくれると、俺はお父様を信じている。
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