第15話

 前回は今までのを思い出すために過去とさせていただきました。

 この話から本軸に戻させていただきます

 過去はこの章が終わったら書かせていただきます

 ここから先は 14話の続きとなります

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一「先に帰ってても良かったのに。迷惑かけるのは悪いし....」

自分の事情でこんな遅くまで残られては天音に負担になるだろうと思い、そう言うと

天音は少し寂しそうな顔になった

「そんな悲しい事言わないでよ。体調が悪い人を放っておくなんてできるわけないでしょ!その自分はどうでもいい みたいな考えやめようよ。これからはぜっったいにそんな事言わないで。自分を大切にして」

ああ、彼女は自分をこんなにも思ってくれているんだ。でもそう思う傍らで

疑っている自分がいることが本当に憎い。

でも疑わずにはいられない。

他人が何を考えてるかなんて...

いつ切り捨てられるかなんて

いつ裏切られるかなんてわからない

でもこの言葉だけは信じよう。心にそう誓った

「ごめん。もう辞めるよ。」

「うん!じゃあ早く帰ろ!」

そう言うと天音は僕の手を引き教室を駆け出した。


「ただいま!」

僕らが家につくと、もう夕飯の用意ができていた。

今日は天音達の両親はいるようだ。

「すこし緊張するな...」

やはり、なにか言われるだろうか。

そんなことを考えてる僕の心情を察したか、天音は

「大丈夫だよ!早くいこ!」

ビクビクしながらリビングに入ると唯と天音達のお父さんが先に夕ご飯を食べていた。

席に付くと僕の様子を見てか少し申し訳無さそうに喋りかけてきた

「実は君に話さなければならないことがある。」

やはり...ダメだったか

「はい。」

「実は...彼女らの母親はいないんだ。今まで私はの手一つで育ててきた。そして今はこの状態だ。私も学校のほうが忙しく、娘たちを二人っきりにさせてしまってる。お願いだ。どうか娘たちを私の代わりに守ってやってほしい。見守ってやってほしい」

全く想像もしてないことを言われ、驚いて固まってると、

「やはり、急に言われると困るよな。すまない。今のは少し忘れてくれ」

断れるわけないだろ。助けてもらったのは僕の方なんだから。

「そんな。断れるわけないじゃないですか。僕で良ければ、力になります」

「本当に、いいのか。君も今は心身ともに疲れているだろう。」

「いえ、僕は天音さんたちに助けてもらったんです。そんな断る理由なんてありませんよ。僕にできることなら、何でもします。」

そういうと、孝太郎はホッとしたような顔になり、

「本当にありがとう。娘たちをどうかよろしく頼む」

「はい。こちらこそよろしくお願いします」

そう返事をすると

「それよりも裕也くん。私のことをお父さんという気には..」

それを言われる前に即答した

「大丈夫です!孝太郎さん!」

やはり、少し恥ずかしい。



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