百合のお話

 一応言っておきますが、女性同士の恋愛のやつです。


 おそらく自分が初めて目にした百合は、百合界のカリスマと名高い某セーラーな戦士、天王星と海王星のお二人です。あの何とも言えない大人の艶麗な雰囲気を作り出す美人たち(なお高校生……は? 高校生??)に「はわ……」となってしまってましたね。あんな感じの関係性見ると打ちのめされすぎて時が止まる。こういう百合に囲まれて神々しさに灼かれながら死にたい。


 そんな私が確定で死に至る百合関連用語は女学校。女子校でも良いけど女学校が良い。ここ重要。文学っぽい古典的な百合に弱いんですねぇ。『少女地獄』みたいな感じにすんごく弱い。

 明治大正の空気をまとい、袴にハーフアップの髪型、ブーツを履いたご令嬢たちが密やかに咲かす百合……想像だけで錆びた蝶番が軋んでるみたいな呻き声あげてしまう。宗教系女子校のシスターっぽい制服やセーラーのお嬢さん方が咲かせてても呻き声が出る。


 お上品なご令嬢たちがなさるだろうやり取りの繊細さ、用いる合言葉、噂話、憧憬や親愛から進化した慕情、関係の終わりに際しての切なさと儚さを思うだけで動悸がしてくる。無理。そういう感じの文で百合が語られるのも無理。死んでしまう。

 優雅さは勿論のこと、古典っぽさならではの人の感情も好きなんですよね。古典的な暗いドロッとした心情、ヒステリックで焦燥めいた感じ、特に女性のそれは蜜の味。嫉妬で鬼になって美しいかんばせを曇り歪ませてゾクゾクさせてほしい。


 百合は女性のドロッとした感じや不安定さをたくさん味わえるのが何より良いところだと思うんですよね。どこで見聞きしたか忘れてしまいましたが、女の友情は恋愛に似てるみたいなこともあるようで。依存のような暗い言葉も、不思議としっくり来てしまう印象があります。むしろ抜群に相性良いまである。

 花の百合自体、何だか艶かしいというか、濃厚な印象があって、なぞらえてしまうからでしょうか。清廉な花の代表格だけれど、どこか耽美な気配がする……百合、花も同性愛も良いものですね。


 毒々しさすら感じる黒百合や、棘のある不仲な関係はもちろん、純粋な白百合も明るい黄色の百合といった平和な感じも好き。単に仲良すぎるだけの間柄なこともありますが、絵面がひたすら可愛くて尊い。仲良しなままの君たちでいて……でもノンケに惚れたせいで失恋しちゃう可哀想な女の子も見たい(手のひら返し)。


 受け攻めのタイプは何でも食べて美味しいって言ってる人間なので割愛。百合じゃなくても受け攻めがどういうタイプかって千差万別、その分だけ良さがあるので語りきれないんですよね。正でも負でも善でも悪でも何だっていいんだよ互いが互いに矢印向けてれば(雑食ゆえの暴論)。

 あと、同性愛に関しては受け攻めが曖昧な感じなのが好きっていうのもあります。百合だとかなり顕著。攻勢から守勢になったり、守勢から急に一撃を繰り出したり、対等にやり合ってる感が好き。受け攻めハッキリももちろん好きです。


 今日もどこかで百合が咲いて、青い鳥のタイムラインとか支部の日間週間ランキングに掲載されるんだろうなぁ。百合を育てて咲かせてくれる人たちありがとう。大切に見守ります。

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