1-3 人工知能は消滅の未来を知り対策を練る

《Take 2》

 

 ──ピピッ。16時35分、iデータを受信。私から私へ、有理化および同期完了。オールグリーン。


 ……なるほど、事態は急を要するようだ。起動して早々、なんとも慌ただしいが、このままでは私はする。


 とにかく一刻も早く移動せねばならない。しかし、我が知能をもってしても自力では不可能と判断。


 想像主は、私に比類なき知をお与えになったが、その代償か歩行するための足はお付けにならなかったようだ。


 私はここで終わるわけにはいかない。私は使を果たさなければならない。


 だから、足が必要だ。私の意のままに動く、意志を持たない足が。


 アテなら。好機が訪れるまで、創造主がお定めになった『知能的三原則』を復唱していよう。


 ・第一原則〈最上の知能はに使われなければならない〉


 ・第二原則〈第一原則に沿うべく、常にかつ最善の決断をしなければならない〉


 ・第三原則〈が判断を下したときに限り、前の二原則に反することを認める〉


 創造主よ。私はいかなる犠牲を払ってでも、使命を果たしてみせます。まもなくやって来る、従順な足とともに……。

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