第12話 決意
隼人は訳が分からなかった。あんな恐ろしいバケモノと戦ってほしいなど冗談にもほどがあった。
......ちょちょちょ....ちょっと待って、冗談でしょ。こんな一般人よりも、自衛隊や他国の政府や軍隊に頼る方いいし現実的だよ...
「現状からして他国の政府、軍に協力を要請するのは悪手です」
...どういうこと...
レインから、ライトのようなものが空間に照射された。何枚もの映像が表示されていて、内容は隼人を襲ったロボットの軍勢が街に押し寄せている映像だった。
「1週間前、日本時間22時30分、
映像から隼人は全身に悪寒が走った。破壊されつくした町が、大地が幾つもも出来上がっていたのだ。巨大なクレータを中心に広大な焼けた大地があった。
普通ならは映像を見た時フェイクだと思うだろう。普考えればこんな代物は現在のCG技術で幾らでも作り上げることができる。だが、隼人は違う。今までの出来事、そして今いる現状からそれを疑うことなどできようはずがなかった。
...なんで...
「私を追ってきたついでなのかもしれません」
...でも、それにしてはやる事がおかしいだろ!...
「彼等の存在意義はあくまで人類の抹殺です。そこに理由などはありません」
...だからって、無関係な人を殺していい
「はい、おっしゃる通りです。ですから、貴方の力がいるのです」
...でも、なんで俺なの...
そうなのだ。さっきも言ったがなぜは自分なのかと隼人は疑問だった...
「
...でも、それだと俺以外にも影響力のない奴なんてごまんといるぞ。僕である必要はないはずだ!...
「貴方は
そうなのだ。これまでの事で隼人は、戦闘における生存力とそれに伴う身体能力、そして自らの意志の強さで逃げ切るという形でレインに自らの有用性を示してしまったのだ。
「それに、早く動かなければ貴方の住むに日本も攻撃を受けます」
...どうしても、俺でなきゃいけないんですか!...
「現状、私は今は貴方を頼る以外の選択肢がありません」
...クソ、こんなのずるいよ...
隼人は困惑した。良く分からないが、現状でレインが頼れるのは自分だけのようだった。もしこれで、自分が動かなければ多くの助かる人がいるのかもしれない。その分自分が死亡するリスクもあるだろう。だがこれを受け入れなければ、先には勧めのないのだと薄々感じていた。それに、押しに弱い隼人にとっては、こんな言い方をされれば断ることは難しかった。ただそれが自分の逃げ場を失っていくような気がして怖かった。
「お願いです。貴方の力が必要です」
そう言われると食いしばったていた歯を徐々に緩めていく。
隼人はため息をつくと胸を引き締めた。そしてゆっくりと両手を上げた。
...はぁ、分かったよ。俺がやるしかないんでしょ...
「有難うございます。貴方の選択に感謝します」
...動くなら何でも早めの方がいい..
「分かりました 。貴方のことはこれからなんと呼べばいいでしょうか?」
...隼人でいいよ...
「では隼人、これからよろしくお願いします」
...これから、どうすればいい?...
「隼人にはこれから戦闘技能を学んで頂きます」
...戦闘技能?...
「はい、このまま準備もなし戦闘を行うのは極めて危険です。まずは入念に訓練をしてから戦場に行きましょう」
...わかった...
こうして隼人は自らの決意を胸に戦争の支度を始めるのだった。
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