第13話 「小学生のころとかは、学校にいけなくて不登校になっちゃっている子を見ると、ちょっと、うらやましくもなった」…かも、しれないね。

 学校にいきたくても、いけなくなっちゃった子の、相談は…。

 「私、休むほど、疲れが出ちゃいました」

 「そんな悲しいことを、言わないでください」

 「学校から、電話がきた。学校には、1度だけいっただけ」

 「そうでしたか…」

 ある子は、皆とは顔を合わす気になれず。進路指導室で、簡単な連絡事項だけ聞けた登校だったという。

 LINEで、友達と、こんな会話。

 「私なんか、さ…」

 「うん」

 「去年、学校には、いけないままでさ…」

 「…進級、できたの?」

 「そこは、まあ…」

 「授業の出席日数、足りたの?」

 「足りた」

 「そっか」

 「保健室登校で、授業に出たことには、してもらえたから」

 「そっか」

 それ以上は、続かなかった。

 教室にはいけずに、保健室にいってすごす子も、多かったようだ。

 泣いちゃった子は、続いた。

 「私は、今年、どこにいけば良いの?…進級できても、私の教室がどこにあるのか、わからないよ」

 「小学生のころとかは、学校にいけなくて不登校になっちゃっている子を見ると、ちょっと、うらやましくもなった」

 「そうそう」

 「学校休んでいて、良いな…とか」

 「私なんか、学校休んでも進級できるからずるいなんて、思っちゃったこともある」

 「…そう思えていたころが、花だった」

 「…私も」

 「わかるよ」

 共感を覚えてしまう子が多いのは、それだけ、同じような悩みを抱えている子がいたからだろう。

 「部活にも、いけなくなった」

 悲しみの共感が、広がっていく。

 フツーに生きるのが、難しくなっちゃっているんだと思う。こういう子たちにこそ、私たちのステージに、きてもらいたい!

 そうそう。

 知らない人も、多いと思うけれど…。

全国一斉休校で、ひどいことが、わかっちゃったんだよね。こんな相談をしてきた子だって、多かったんだから。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る