AM9:00 商店街で

カナンモフ

殺人ロボ

山折市、商店街 AM9:00

 監視カメラにて、記録


 「この機械壊れてるぜ。 ずっとバグってやがんの」


 「兄貴、まずいんじゃねぇの? 何か、大事な機械みたいだぜ? 紋章みたいなのも貼り付けてあるし」


 「こんなんにビビってたらやってけねぇよ! 金がいるんだ。 こんなガラクタでも部品は売り捌ける」


 「でもよぉ……そいつの中からずっと音が聞こえるんだ。 なんか、刃物の音みたいな…」


 「刃物だって? マジだったとして、そんなちゃちなもんで俺が死ぬか?」


 「あ、あにき、そいつ、動いて」


 機械からナイフ付きのアームが飛び出した。


 「あぁぁぁぁぁ! ナイフ!? なんでいきなり? こいつか? こいつが悪いのか?」


 「兄貴! 不味い! 早くそいつを投げ捨てるんだ!」


 レーザーカッターの付いた。 2本目が飛び出す。


 「ぐわぁぁぁぁ! レーザーカッター!? なんでいきなり? こいつか? こいつが悪いのか?」


 「兄貴! 兄貴が! も、燃えてる……」


 小型の神経毒が付いた。 3本目が飛び出す。


 「ぎぃぁぁぁぁ! 神経毒!? なんでいきなり? こいつか? こいつが悪いのか?」


 「兄貴! あれはどう見ても致死量だ…… なんで、なんでこんなことに!」


 ノコギリのついた、4本目、5本目、6、7、8 次々とアームが飛び出す。


 「らぁぁぁぁ! 様々な武器!? なんでいきなり? こいつか? こいつが悪いのか?」


 「兄貴……なんで死んでねぇんだ!? あんたに保険をかけて置いたんだ! 死んでもらわねぇと困るんだよ!」


 弟が兄に飛びかかるが、機械に巻き込まれる。


 「「ぐわぁぁぁ! レールガン!? なんでいきなり? こいつか? こいつが悪いのか?」」


 記録はここで止まっており、その後の2人、及び機械の消息は不明。






 「刑事さん、この映像、どう思われます? 殺人ですか?」


 「いやぁ、両方ピンピンしてるし、セーフだろ、セーフ。 じゃあ、また今度何かあったら言ってよ」


 「それなんですが、見せたい記録がまだあって…」


 「また明日な、今日は眠い」


 「では、明日のこの時間に、またお願いします」

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