あの人の居ない世界は、こんなにも息苦しい。(IF)

 世界の終わりを、自分の身を犠牲に止めることができたとしたら? 俺はきっと、自分の身を捧げるだろう。そして、それは千蔭さんだって同じことだった。

「ミケちゃんが見たのは悪い夢だよ」

「……そんなこと、」

「全部、忘れていいからね」

 珍しく俺の言葉を遮って言われたそれは、あまりにも残酷だった。ねえ、なんで、そんなに幸せそうに笑うんですか。

 千蔭さんが、夕陽に溶けていく。手を伸ばして、その体を掻き抱きたかった。けれど、千蔭さんはそれを望まないって分かっていた。だから俺は、それを見届けることしかできなかった。


 今日も俺は、あの人の犠牲によって成り立った世界で生きている。あの人が残したこの世界で、俺は生きていかないといけないのに、ああ。


(診断メーカー #さよならと言えないあなたにより。

さよならの代わりに千蔭さんは言いました。

「君が見たのは悪い夢だ。

全部、忘れてしまえ。」

──なんで、そんなに幸せそうに笑うんですか。

#shindanmaker

https://shindanmaker.com/1058318)

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