航海第二十八日目 盛事

(平成11年10月7日〔木〕曇り、気分的に)

 私の辿り着いた村は祭りの最中だった。


 村の広場にはさまざまな露店が並び、色々なものが売られている。そして、その中央には3メートルほどの直径で炎が燃え盛り、そこでは丸太にくくられた須藤君が燃やされていた。人々は炎の人である須藤君を中心に静かな踊りをダンスィングしている。


 何とも言えず、風流な眺めだ。私は心が和んだ。

 今日まで色々とつらいことや苦しいことがたくさんあったが、自殺したりしないでがんばりまんぼう。そんな気持ちが湧いてきた。


 私は村を後にし、さらなる旅路を行く。

 すると、道に一人の老人が倒れている。関わると面倒くさそうなので、気づかないふりをして通り過ぎることにした。

 だが、私が通り過ぎようとすると、急に老人が立ち上がり、殴りかかってきた。


 彼が言うには、「倒れている老人がいたら助けるものだ」と言うのだ。

 私は、「あんた元気だからいいじゃん」そう言った。

 すると、老人は「屁理屈抜かすな」と怒鳴る。


(二十九日目につづく)

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