航海第十日目 再会

(平成11年9月19日〔日〕晴れ ゲームショー)

 海の底に沈んでしまったものの、私は死んではいなかった。いや、すでに死んでいるのだから、その言い方は多少おかしい。ともあれ、私の冒険はまだ続くのだ。


 しかし、高鳴る胸の鼓動とは裏腹に、身体は妙にだるい。特に足は棒のようだ。やはり、ゲームショー→秋葉原回りの2段コンボはかなりつらかったようだ。

 げほっ、がふっ、げぼっ。い、いや、なんでもない。地獄にゲームショーも秋葉原もあるはずがない。きっと聞き違いでしょう。気にするな。


 そんなわけで、私は海の底にいるわけだ。闇の中にぼんやりと見える地上の光を眺めながら、私はいつまで沈んだ状態でいるのかと考えていた。

 しかし、命運は尽きていなかった。私の黄金の右足が輝き始め、何者かを照らした。その者の正体はなんと角川師つのかわしではないか。

 私と角川師は涙を流して再会を喜んだ。もちろん、涙の理由は机の角に小指をぶつけたから。


(十一日目につづく)

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