航海第三日目 船出

(平成11年9月12日〔日〕晴れ)

 突然、光り始めた私の右足は徐々にまばゆいばかりの黄金色へと変化していった。この時には予想しかしなかったが、のちに私の右足は“黄金の右足”と呼ばれ恐れられるようになるだろう。


 私がこの日誌をつけ始めてから三日目になる。しかし、『航海日誌』を謳っているにも関わらず、航海の「こ」の字も出ていないではないか。理由としては、書いているうちに次々に脱線してしまうからだ。とにかく、無理にでも航海に出ることにしよう。


 青い空の下、青い海に浮かぶ私の船。たった一人でオホーツク海に乗り出したのだが、私はすでに後悔していた。(期せずしてダジャレになってしまった。わざとではないのでご容赦を)

 今はもう9月、もう秋へと向かっている。しかも、オホーツク海だ。これから、どんどん寒くなっていくことだろう。そう考えると、心まで寒くなってくる。

 私は打開策として、仲間探しをしようと思った。


(四日目につづく)

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