36話 スミレは、先輩と出会う


◇スミレの視点◇


「ところでユージンちゃん、そっちの可愛い女の子はだーれ?」

 

 へらへらと笑う男の人だった。

 ボサボサの伸び切った金髪で、目元はよく見えない。 

 ひょろりとした長身で、モデルのようにスタイルが良いけど猫背が台無しにしている。


 もっと、しゃきっとすれば、きっとカッコいいだろうに。

 そんな印象を受けた。


「カルロ先輩、この子は指扇スミレさん。異世界から転生してきたんですけど、知りませんか? 生物部に入部予定の新人です」

「へぇ~、異世界人かぁ~。初めて見たよー」

「は、はじめまして。指扇スミレと言います」

「よろしくねー。ところで、君って何ができるの?」

 急にそんなことを聞かれた。


「何ができる……? えっと、火魔法は得意です! あとは体術を習っています」

「面白い魔物を使役したり、珍しい幻獣を召喚とかはできないの?」

「で、できません……」

「そっかぁ、ざんねん」

 がっくりと肩を落とすカルロ先輩さん。


 私は少しびっくりした。 

 今まで会ってきた人たちは、みんな私が異世界人ってことで興味を持ってきたから。

 でも、カルロ先輩って人はまったく興味を示していないようだった。


「じゃーねー、後輩ちゃんたち。ボクは研究室に戻るからー。次の発表会用の論文が全然できなくってさー」

 ひらひらと手を振って、私たちに背を向けた。

 うーん、ちょっと変わった人だなーとその背中を見送っていると。


「すいません、カルロ先輩! お願いがあるんですけど!」

 それを引き止めたのはユージンくんだった。




 ――天頂の塔バベル・52階層




「いやぁ、迷宮探索なんて久しぶりだなぁ~! うーん、この淀んだ空気に濁った魔素! 最終迷宮ラストダンジョンは、いつ来ても辛気臭いね~!」

 カルロ先輩は、言葉と裏腹にとてもテンションが高い。

 魔物が来るかもしれないのに、あんなに大声上げてもいいのかな?



「あの……ユージンくん。どうして最終迷宮に来たのかな……? サラちゃんが戻るまでは、しばらくは修行するんじゃなかったっけ?」

 私は相棒のユージンくんに質問した。

 


「カルロ先輩の戦い方は見ておいたほうがいいと思って。これからの勉強になるから。俺にとっても」

「そう……なんだ?」

 私は首をかしげた。


 前の世界で言うところの白衣のような服装のカルロ先輩は、何の武器も防具も持っていない。

 とても探索者のようには見えなかった。


「仲間の人は居ないんですか?」と訊いたら、「ボクは単独ソロなんだ」とのことだった。 

 学園では迷宮探索は部隊が基本と教わったけど……。

 その時だった。


「プシュ!」

「きゃっ!」


 と何か霧状のものを吹きかけられた。

 冷っ!

 なにこれ!?


「カルロ先輩、魔物避けの聖水を振りかけるなら一言教えて下さいよ。スミレがびっくりしてますよ」

「あ~、ゴメン、ゴメン」

 あまり申し訳なさそうに謝られる。

 むぅー。

 あんまり悪いと思ってなくない!?


 その騒ぎを聞きつけてだろう。


 ガサリ、と武器を持った蜥蜴頭リザードマンが現れた。

 鋭い目で、獲物である私たちを物色するように睨めまわしてくる。


(こんなに近くに!?)

 魔物避けの聖水効いてないんじゃない!?


 私は慌てて構えをとったけど、ユージンくんは特に慌てていない。


「カルロ先輩。時間を稼いだほうがいいっすか?」

「大丈夫だよ~、もう呼んであるから」

 二人はすぐそばに魔物が迫っているのに、呑気な会話をしている。

 ユージンくんは、剣を構えず魔物から私やカルロ先輩を守るように間に立っていたけど、すぐに脇に避けた。


 蜥蜴頭リザードマンは、武器も持っていない先輩に狙いを定めたようで。

 じりじりと距離を詰めてくる。

 カルロ先輩は、穏やかな声でぽつりと言った。







 それは誰に言った言葉なのか、最初わからなかった。

 が、すぐに知ることになる。




 ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン、ブン…………




「…………え?」

 耳障りな羽音。


 それは、前の世界でも時折耳にする音だった。




 ――蜂の大群。




 しかも、大きさが尋常じゃない。


 拳ほどの大きさのある、スズメバチのような蜂が周囲を取り囲んでいた。


「ひっ!!」

 私は悲鳴を上げ、腰を抜かしそうになった。

 それを誰かに肩を抱き寄せられ、口を手で塞がれた。


「スミレ。あまり騒ぐと先輩の殺し蜂キラービーを刺激するから、大人しく見ていよう」

 ユージンくんの声は真剣だった。


 ともすれば、魔物と戦う時よりもずっと。


「失礼だなぁ、ボクの可愛い蜂ちゃんが君たちを襲ったりするわけないだろ~。それにちゃんと魔物避けの聖水もふりかけたんだし」

「さ、さっきの聖水って」

 もしかして迷宮の魔物じゃなくて、カルロ先輩の操る魔物を避けるためだったの!?

 

 私はごくりとつばを飲み込み、改めて周囲を観察する。


 数千匹の蜂の大群。

 それが綺麗な隊列を組んで、優雅に飛翔している。

 確かに、迷宮で出会った魔物とは一線を画していた。


「ギャアアアアアアアア!! ……アァ……ア……」

 絶叫が上がった。


 それがゆっくりと小さくなっていく。


 うわ……。

 見ると先程のリザードマンが、全身を針で刺され血を吹いて倒れていた。

 蜥蜴の遺骸には、数多くの蜂たちが群がっている。


 カチ、カチ……カチ……、という羽音とは違う音が聞こえる。

 何の音なのか、あまり想像したくない。


「蜥蜴ちゃんを倒した子は食べていいけど、食べ残しちゃ駄目だよー」

 カルロ先輩が爽やかに言う。

 カチカチカチカチカチ、と蜂たちが一斉に口を鳴らす。

 喜んでいる……のだろうか。


「…………」

 私はもう声も出ない。

 魔物が魔物を食べてる……。

 思わずそっちから視線を逸した。



「スミレ、もうわかったかと思うけどカルロ先輩は『魔物使いテイマー』。専門は『虫』だ」

「うん……わかったけど、どうしてこれを見せたかったの?」

「それはあとで説明するよ」

 うぅ……、私は虫苦手なんだけどなぁ。


 ユージンくんから、生物部の部員は魔物使いが多いってことは聞いていた。

 でも、使役する魔物は違うものを想像してたなぁ。

 もっと可愛い魔物ならよかったのに。


「ユージンちゃん、ここの階層。ボクがクリアしちゃっていいの?」

「ええ、大丈夫です。……というか、そんな細かい調整できないですよね?」

「あははっ! そういえばそうだったね~」


「ちなみに……迷宮破壊は駄目ですよ?」

「わかってる、わかってるって」

 ユージンくんとカルロ先輩の会話に疑問を覚える。


「ねー、ユージンくん。迷宮破壊って?」

「ああ……、俺が学園に入る前の話なんだけど、天頂の塔の草原領域……2から10階層を攻略する時に、カルロ先輩は鬼蝗おにいなごって魔物を使役してエリア中の草原や木々を食い荒らして、生態系をぶっ壊しながら突破したらしいんだ。そのせいで当時は大問題になったって……」


「い、イナゴ……?」

「ちなみに、これが鬼蝗おにいなごちゃん」

「え…………、きゃあああああああ!」

 カルロ先輩が右手に何かを乗せている。


 その手の上に載っているのは、のイナゴだった。


 全身に鳥肌がたった。

 こ、怖い! き、気持ち悪いようっ!!!


「カルロ先輩……」

「あー、ごめんごめん」

 悲鳴を上げた私に謝りつつ、カルロ先輩はその巨大なイナゴを白いローブのポケットに入れた。

 えっ……?

 どう考えても入るサイズじゃなかったんだけど。


「ゆ、ユージンくん!? あれって!」

「カルロ先輩のローブのポケットには収納魔法がかけてあって、いつもポケットの中に数十種類の虫の魔物を持ち歩いているらしいんだ」

「そ、そうなんだ……」


 私はじりじりとカルロ先輩から距離を取る。

 常に数十種類の虫の魔物を、ポケットに潜ませてるって。

 もはや歩く生物兵器では?


「じゃあ、ボクの可愛い蜂ちゃんたち~、探索をよろしくね~」


 カルロ先輩が指示を出すと、大きな蜂の群れがゆっくりと52階層――樹海領域の奥へと消えていった。


 あれ?

 私たちは、ここに居ていいのかな。

 

 するとカルロ先輩は、いそいそとポケットの中から丸いボールのようなものを取り出し並べ始める。


(あれは……卵?)

 それは薄い膜のようなもので覆われた、オレンジ色っぽい卵だった。

 きっと孵化するのは虫だと思うけど……。


「何か手伝えることありますか?」

「んー、じゃあボクと一緒に卵に魔力を込めてくれる? そのほうが孵化が早まるんだ」

「わかりました」

 そう言うとユージンくんは、カルロ先輩と一緒に大きな卵に手を当て魔力を込めている。

 あれくらいなら私でもできるかも……。


「あの! 私も手伝います!」

「ん? そう? ありがとうねー」

 私は恐る恐るオレンジ色の卵に手が触れる。

 それはぶよぶよとしていて、生温かかった。

 

(こ、これくらいかな……)

 魔法使いの授業で教わった、杖に魔力を込める要領で魔力を伝わらせる。

 しばらくして「ドクン!」と大きくな鼓動が伝わってきた。


「え?」

 さっきまでオレンジ色だった卵が、燃えるような赤色になっている。

 こ、これって成功したのかな?


「おや? 後輩ちゃんたちの魔力って変わってるねー」

「なんか、俺のは白くなっちゃいましたね」

 みるとユージンくんの魔力を込めた卵は、白く変色している。



 ズシャァアア!!



 突然、目の前の卵から何かが飛び出した。


「へ? ……きゃあああああ!!」

 今日何度目かの悲鳴を上げた。

 

 それは『蟻』だった。

 直立すれば、人間サイズはありそうな巨大な赤い大蟻。 


「おお! こいつは変異種だね。 へぇ! 異世界人の魔力だからかな?」

 カルロ先輩が興味深そうに見ている。


 周りを見ると、次々に卵から巨大蟻が孵化している。

 それらの色は『黒色』だった。

 一匹、白い大蟻が混じっているけどあれはユージンくんの魔力を込めた卵から孵化したみたい。


「……え?」

 周りを見ていたせいで注意が散漫になっていた。

 気がつくと、私の魔力で孵化した大蟻が私の上に覆いかぶさってきた。


「ぎゃああああああああ!」

 私はさっきの蜥蜴頭に負けないくらいの絶叫を上げる。


「スミレ!!」

 ユージンくんの焦った声と。


「あははっ! 軍隊蟻アーミーアントちゃんは賢いから誰が魔力を分けてくれたかわかるみたいだね。スミレちゃんに懐いているよ」

 カルロ先輩の明るい声が聞こえたが最後だった。


(……あ……やば、意識が……)


 目の前が、真っ暗になる。

 


 ――私は意識を失った。




 ◇ユージンの視点◇




「スミレ!」

 俺は軍隊蟻アーミーアントからスミレを奪い取る。

 

 すーすーと、規則正しい寝息が聞こえた。

 気絶しただけのようだ。


「ありゃ……、悪いことしたね。大丈夫かな? その子」

「刺激が強かったですね。しばらくは俺がおぶっていこうと思います。にしても壮観ですね」

 俺は孵化した軍隊蟻アーミーアントたちを眺める。


 合計百体以上はいるだろうか。

 その一体、一体が非常に強力だ。

 それをカルロ先輩は、難なく操っている。


 凄まじい技量の魔物使いテイマーだと思う。


「自慢の子たちだからね」

 カルロ先輩は誇らしげに答えた。


「じゃ、出発しようか」

 

 カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ……、


 一斉に、軍隊蟻たちが口から音を立てる

 これは少し怖い。


 行き先は、殺し蜂キラービーたちが偵察しているようで、暗い樹海の中をカルロ先輩は迷いなく進む。


 俺たちの周りはぐるりと軍隊蟻アーミーアントが護衛している。


 途中で、魔物に襲われたがすべてカルロ先輩の使役する虫の魔物たちが、あっさりと倒してしまった。


 飛竜やグリフォンなどの飛行系の魔物ですら、だ。


 殺し蜂キラービーたちが翼を刺し、軍隊蟻アーミーアントたちがあっという間に食らいつく。

 

 カルロ先輩の魔物(虫)の運用は、一言でいえば『数の暴力』だ。

 

 こちら側が何匹倒されようが、次の魔物が押し寄せ敵を屠る。

 そして、減った魔物は次々とカルロ先輩が補充していく。


 そして、一番エグい点が。



 ガツガツガツガツガツ…………

 ガツガツガツガツガツ…………

 ガツガツガツガツガツ…………

 ガツガツガツガツガツ…………



 倒した魔物は、その場で捕食していく。

 魔物を食った軍隊蟻アーミーアントは、その力を吸収して自分のものにする。

 

「お、また進化したね。隊長蟻が増えた」

 嬉しそうな声が聞こえた。


 こうしてカルロ先輩の虫軍団は、着実に強くなり、52階層を蹂躙していった。


 ちなみに、一度を覚ましたスミレは軍隊蟻が魔物を食べているところを見て、もう一度気を失った。

 話は後にしておくか……。



(……ん?)

 魔物の相手は、カルロ先輩の魔物がやってくれるので俺は手持ち無沙汰だった。

 周りを観察していると地面にキラリと光る、何かを見つけた。


(これは……)

 俺はそれを拾っておいた。

 他の探索者の落し物かと思うが、探索アイテムではない。


 何で、こんなものがここに……?


「ユージンちゃん、行くよー」

「は、はい!」

 疑問について考えている間にも、先輩は先へと進んでいく。


 俺は、いったん拾い物のことは忘れカルロ先輩に、本題を尋ねた。


「今、戦わせている殺し蜂キラービー軍隊蟻アーミーアントって、出現するんでしたっけ?」

「えっとねー、61階層あたりからだね。でも最初は群れじゃないよ」

「ですよね……」

 52階層の魔物たちを蹂躙しているこいつらは、あと9階層進むと普通に敵として出てくる。

 

 しかも、階層が進むにつれて数を増やし群れとなる。

 何よりも厄介なのは、虫系の魔物は『進化』していく所だ。


 軍隊蟻アーミーアントは、進化が激しく


 兵隊蟻 → 隊長蟻 → 団長蟻 → 師団長蟻 → 将軍蟻


 とどんどん強くなっていく。

 将軍蟻は、竜とすら互角に戦えるという噂がある。

 というか、カルロ先輩の持っている将軍蟻が竜を倒しているのを見たことがある。



「こいつらの対策を考えないと……」

 俺が頭を悩ませていると、カルロ先輩が話しかけてきた。


「ユージンちゃん、知ってると思うけど虫系の魔物が恐れられる理由、言ってみて」

「それは虫系の魔物の旺盛な、ですよね?」


「正解ー! この子たちって、倒した獲物はすぐに食べちゃうか、巣に持ち帰っちゃうから『復活の雫』が使えないんだよね」

 

 100階層までであれば、死者を復活させられるアイテム『復活の雫』。

 それが虫系の魔物には通じない。

 おかげで虫系の魔物は、100階層以下で探索者をもっとも悩ませている魔物と呼ばれている。



 52階層は、カルロ先輩の助力(というかほとんど先輩一人の力)で難なく突破できた。




 ◇




「ボクはもう少し迷宮をぶらぶらするよ。この子たちがお腹を空かせてるみたいだから」

「今日はありがとうございました」

「どういたしまして~」

 カルロ先輩は虫の軍団を引き連れて、53階層へと進んでいった。


 この調子では、しばらく魔物たちは蹂躙されていくことだろう。

 他の探索者が、びっくりしないといいけど。


 というか、大抵腰を抜かすらしい。

 さもありなん。


 俺はスミレをおんぶして、迷宮昇降機のほうへ向かった。



「……え? 61階層からあの虫の魔物たちが敵として出現するの?」


 帰りの迷宮昇降機で、その事実を伝えるとスミレが真っ青になった。


 勿論、虫の魔物の恐ろしさも伝える。

 何でもかんでも、復活できると油断していると危ないからな。


「…………」

 スミレは青い顔で黙って聞いていた。


 もっとも、俺も久しぶりに見て恐ろしさを再確認した。



「ユージンくん、……じゃーねー……」

 ふらふらするスミレを女子寮まで送っていった。


 大丈夫だろうか……?


 今日はゆっくり休んでもらおう。

 そして、やっぱりこれから先の階層については課題があると感じた。


 俺はポケットから、煤けた銀細工を取り出した。

 さっき、52階層で拾ったものだ。



 俺はいくつか、聞きたいことがあり『彼女』のもとへ向かうことにした。




 ◇リュケイオン魔法学園生物部第七檻・封印の大地下牢◇




「すー……、すー……」

 魔王の檻の前にやってくると、漆黒の翼を持った堕天使は穏やかな寝顔を見せていた。


(珍しいな……)

 いつもは俺が来ると「遅い~!」と責めてくるのに。


 俺は檻の鍵を開き、中に入った。

 

 魔王エリーは目を覚まさない。


「エリー起き」

「…………ん? ありゃ!?」

 俺が肩をゆすって起こそうとした時、ぱっと魔王が目を開いた。


「……ユージン、どうしたの?」

 エリーが目をこすっている。


「悪いな、寝てるところ」

「そのまま襲ってくれればいいのに」

 色っぽい流し目を、俺は目をそらしてかわす。


 俺はポケットから、迷宮で拾った銀細工を取り出した。


「こいつを見てくれ」

 それは、林檎に絡みつく蛇の銀細工。


 見たのは初めてだったが、意味は知っている。

 

 蛇は、魔族たちが信仰する悪神のシンボル。


 つまり蛇をモチーフにした模様は、魔族信仰、魔王信仰の証だ。


 それが落ちていたということは、さっきまでいた52階層に魔王を信仰する者が潜んでいたということだ。


 

 ――通称:蛇の教団。



「あら? これって」

 魔王が、興味を持ったようだ。


「エリー……、知ってるよな?」

 魔王信仰の対象であるエリーに尋ねた。


「当たり前じゃない。この教団のマーク。私がデザインしてあげたんだもの」


「……え?」

 予想の斜め上の回答が返ってきた。



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