第5話 クラス分けと入学式


校門をくぐった一樺は人集りを見つけ一人の少女に話しかけた。「これなにやってるの?」と問いかけられた少女は「クラス分けの簡単なテストだって。入学式前にやるみたい」と答えた。すると「次!皐月 一樺!」 と名前を呼ばれれば一樺は肩を揺らし前へ出た。「簡単な魔法でクラス分けを行う。始め」と先生の合図で一樺は目を瞑り詠唱を始めた。『雪に舞う精霊たちよ。彷徨う銀色の世界に身を纏い視界を闇に引きずりたまえースノルムクロースー』 詠唱を終えると辺りが吹雪になり周りにいる生徒たちの視界を奪った。一樺がカツンっと足を鳴らすとその吹雪は止み、教師に笑みを浮かべた。教師は少し息を吐いたあと「皐月 一樺。Sクラス」 と短く告げ同じクラスの生徒がいる所へ案内された。


ここムーズル魔法学校にはクラスが5つあり、上からS、A、B、C、Dといったクラス分けになり、優れた者は上のクラスへと上げられる。一樺はそのクラスでもトップを誇るSクラスへと入学が認められた。


暫くして、長い入学試験と入学式が終わり各々自分のクラスへと足を運んだ。一樺は『自己紹介とか苦手なんだよね……何を言おう……』と考えながら教室に入った。


「……なんか少ない……?」と教室に入った。一樺が小さく呟けばクラスメイトの1人が話しかけてきた。「Sクラスは入れる人数が決まってるらしいよ。入れるのって15人なんだって」と告げてきた。その言葉に一樺は「そうなんだ……ありがとう。私 皐月 一樺」と名乗れば相手も「私は紗理那。如月 紗理那きさらぎさりなだよ」と名乗りよろしくと手を差し伸べた。


一樺と紗理那が話していると暫くして担任の教師が入ってきた。クラスメイトは教師を見たあと自分の席に座り「本当は今から自己紹介等をしてもらう予定だったが思ったより時間が押したため明日にする。全員寮に向かって入寮試験を受けるように」と告げて出ていった。一樺は瞬きしたあと立ち上がり「紗理那ちゃん一緒に行かない?」と問いかければ紗理那は頷いた。




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